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「難問克服 ルベーグ積分」 東京図書 2020年12月刊行 服部哲弥

測度論・積分論の基礎問題集です.ルベーグ積分大学院入試問題集とは問題を全面刷新しましたので,大学院入試問題集を勉強された方々も損はしません.新たに書き下ろした読み物みたいになった気がします.

「難問克服 ルベーグ積分」 服部哲弥 著,東京図書,3600円+税, 264頁, ISBN978-4489023569

東京図書
honto.jp 他各地書店,ネット書店にて販売中!
Amazon.co.jp/dp/4489023561も,もちろんあります

難問克服 ルベーグ積分 服部哲弥

「難問克服 ルベーグ積分」補足と訂正 (update 2024/01/11)
念のためお買い求め後お読みいただく前に, 上記リンクの補足・訂正の追加の有無をご確認いただければさいわいです.

20210311 落合啓之さんが3ヶ月以内に早くも通して読んで下さったようです.
見つけた大量の訂正と補足を蓄積して下さっています. 便宜のため,訂正のページにも転記しました.
20210322 竹居正登さんも3ヶ月以内に早くも通して読んで下さったようです. こちらも頂いた訂正は訂正のページに加えました.
第一線でご活躍中のプロの数学者の方々に通し読んでいただいているようで,たいへんありがたいことです.

ルベーグ積分関連の大学院入試問題は,出題傾向など入試対策には重宝しますが,試験問題は採点,したがって出題意図の制約があるからか,出題に偏りなどがあります.本書は,測度論・ルベーグ積分論の基礎事項の学習,特に到達度や理解の穴などの確認に役立つことを目指して,標準的な基礎教科書の内容に合わせて作題し,ヒント(解説)や解答を付けた単行本です.

腕に覚えある読者も損しない問題も加えて幅を持たせてます.合う問題を選んで使って頂ければと思います.表題一覧はこのページの下のほうにあります

なお,既刊の「確率変数の収束と大数の完全法則」は,測度論の直系の子孫である確率論,特に測度論から見て最初の重要な基礎事項である独立確率変数列についての(少しマニアックだが初等的な)基礎教科書です. 本書収録の問題(次の項目参照)のうち, 「確率変数の収束と大数の完全法則」では,

などについて書かれています.本書の中で上記の問題に興味を持たれた方は,本書に引き続いて「確率変数の収束と大数の完全法則」もごひいきいただければたいへんさいわいです.


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目次と問題の表題一覧

表題で問題と解説(ヒントから滑った筆(?)まで)と解答が全部わかれば本書は不要かも!?ということで,少し長いですが,問題の表題一覧を並べておきます.

Chapter1 極限と集合論からの準備
はさみうちの原理
写像と集合算
Rdの開球と閉球
連続関数の極限
対称差
可算無限
対角線論法
第2可算公理
カントール集合
カントール関数
級数の和
級数と測度
凸ゲーム(モジュラー関数)
大きいコア
Chapter2 d次元ルベーグ測度
σ加法族
測度の連続性
ルベーグ測度
カントール集合のルベーグ測度
ハウスドルフ測度
ジョルダン外測度
ボレル集合族
ボレル測度の分布関数
ルベーグ測度とコンパクト集合
外測度
ルベーグ測度の位相的正則性
ルベーグ可測集合
ルベーグ測度の不変性
平行移動の対称差
集合列の極限とルベーグ測度
ルベーグ非可測集合
Chapter3 σ加法族と測度
有限加法族とσ加法族
σ加法族の生成
測度のσ加法性
有限加法性とσ加法性
可算集合の測度
測度空間と濃度
ボレル・カンテリの第1定理
集合の和と交差の順序交換と零集合
生成されたσ加法族の中の集合に共通する性質
ディンキンの補題
測度の完備化
対称差と測度と擬距離
ボレル測度の位相的正則性
劣モジュラー集合関数
Chapter4 測度の構成
σ加法族の生成と逆像
像測度
有限加法族と有限加法的測度
測度の有限加法的測度による近似
対称差と測度と距離
σ加法族の生成と測度の一意性
外測度から測度へ
測度の拡張定理
測度が定義する外測度
半加法族
有限加法的測度のσ有限性と拡張の一意性
外測度と完備化
像測度とボレル集合族上の測度
Chapter5 可測関数と積分
実数値可測関数と像測度による積分
可測関数と分離族と逆関数の存在
線形空間としての実数値可測関数の集合
包除原理
σ有限測度と密度と絶対連続性
チェビシェフの不等式と積分の非負値性
積分の正値性とヘルダーの不等式
イェンセンの定理とヘフディンの定理
可積分性と測度の極限
分割
単調収束定理
可積分性と可測関数の本質的上限
関数の積分と分布関数の積分
可積分性と級数の収束
概収束と完全収束
大数の強法則
Chapter6 d次元ルベーグ積分
測度0とルベーグ積分
ルベーグ積分対リーマン積分
ルベーグ積分から被積分関数の評価へ
積分と極限
広義リーマン積分とルベーグ積分
ルベーグ積分の並進対称性
ルベーグ可測だがボレル非可測な関数
ルージンの定理
Chapter7 測度に基づく収束
ファトウの補題
非負値関数の概収束とL1収束
優収束定理
積分とパラメータに関する微分の順序交換
エゴロフの定理
測度収束(確率収束)
概収束
確率収束と距離
L1収束・測度収束と完備性
一様可積分性
一様可積分性とL1収束
R上の関数列の収束と積分
たたみ込み
リーマン・ルベーグの補題
法則収束
漠収束と弱収束
Chapter8 密度関数
特異測度とルベーグ分解
密度とラドン・ニコディムの定理
情報量と正準集合
条件付き期待値
ハーンの分解定理
符号付き測度の全変動
不定積分と有界変動関数
積分で定義された劣モジュラー集合関数
非加法的測度と共単調性
Chapter9 直積測度
符号付き測度のたたみ込みと和の分布
たたみ込みとルベーグ測度の並進対称性
たたみ込みと連続性
直積σ加法族の「切り口」
直積測度の存在
トネリの定理
生成されたσ加法族の濃度
距離空間の直積とボレル集合族
ショケ積分

以上,公開しても競争相手(新しい著書)のご参考になるだけで,出版社が渋い顔をするかもですが,新しい方向に良書が増えるきっかけになればそれもまた良し,ということで.



書店に並んでいます

拙著「Amazonランキングの謎を解く」は,メルカリなどですっかり社会に定着した,中古販売系を生業(なりわい)とされる方々に特に注目していただいたようです.その研究中に気づきましたが,刊行当初はAmazon.co.jpへの配本は(予約分を除くと?)ただちに中古書店さんが購入してしまって,品切れになったところで高値で再販売する場合があります(Amazon.co.jpは品切れ後の出版社からの追加配本の流れが遅い場合があるようです).しかし,大規模書店店頭には平積みしていただいていますので,アクセスのある方はぜひ定価(消費税10%で税込3960円)でお買い求め下さい.Amazon.co.jp以外のネット書店で中古書店の販売の無いところは定価でお買い求めいただけるところもあります. たとえばhonto.jpは大学生協系の書籍取り次ぎ店を母体にした組織のようです. もちろん,Amazon.co.jpで在庫が落ち着いていれば(正規料金とpointの表示が目印?)ぜひAmazon.co.jpでも.

いつも東京よりかなり配本が遅い横浜駅も無事並んでいます.

有隣堂横浜西口店(ジョイナス地下街,東西自由通路から左手奥の理工書コーナー) で平積み!その上,店長さんに撮影していただき,アプロードも快諾いただきました. 有隣堂さんどうもありがとうございました! お礼に(ささやかな書店さんへの応援を兼ねて)著者手持ちの最初の1冊として購入しました.

20201220追記:10日間ほどの間に有隣堂横浜西口店から2冊売れたようです(山の高さから推測).早速のお買い上げ,どうもありがとうございました!

横浜駅東口もそごう7階紀伊國屋書店でやはり平積みいただきました!

有隣堂横浜西口店(理工書コーナー) 2020年12月 有隣堂横浜西口店(理工書コーナー) 2020年12月

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天からの声

本書予告をAmazon.co.jpで発見して下さったかたの呟きがツイッターに出て1,2週間程度の間にツイッターでフォローして下さったかたが複数いらっしゃいます.当社比短期間に複数のフォローを頂くのは珍しいので本書絡みかと思いますが,そのお一人の本書出版予告についての呟きがあまりにありがたかったので,ふぁぼ欄まで見に行った結果,担当編集者さんのアカウントを回りくどくも偶然発見しました.

そこで担当さんの呟きを見に行ったところ,本書絡みの呟きの最初の2つの書き出しが
「なかなか進捗伺いしにくい先生の原稿が」
「2年間待ち続けた原稿が届いた。」
だったことにショック.いや,やたら催促されたから,厳密に言うとショックというのは不正確で,やはりそういうスケジュール感で待っていたのか,という驚きか.2年で仕上げた本は他にありませんし,遅筆だということは早くから伝えていたのに,あまりに催促が続くので,他の仕事を全部先送りしてこれを優先したツケが今やってきて,現在,仕事が破綻しています.

何より,これまで,魂を削って遺書と思って1冊の本,1篇の論文を書いてきたので,1年や2年で書き上げるということ自体が精神に来ます.赤川次郎や東野圭吾みたいに息を吐くようにすぐれた文章を量産できるならば作家になってます,という定型文はともかく,他人に自分の考えを表明することが苦手な内気な性格が,やっとの思いで絞り出す文章が,担当さんにすらこんなに軽く受け取られるのは,それはそれで軽やかで良いのか,出版物に対する時代の流れなのか,それとも単にこの程度の内容を絞り出すのにこんなに時間がかかる私の実力不足の露呈か.

今までの編集者さんはもっとお待たせしたのに,ここまで催促された記憶がありませんが,あれは皆さん諦めていらっしゃったか,ひょっとして,打診したことを忘れていらっしゃったのでしょうか.催促されるよりも断然忘れて下さるほうがありがたいです.


出版社編集部御作成の檄文

自分がどう見られているかは自分では分からないので, たぶん出版社編集部御作成の Amazonのページに頼ることにすると,本書は

ということだそうです.

知らんがな(´・ω・`).著者はそんな「結論」持って無いぞ.「手を動かす」のは理解を深めると思いますが,当たり前な感じも.(リアルの手でも良いですが,具体例を含めて,簡単な場合や複雑にする試みなど,教科書の記述から変えたものに当たってみる,というような意味です.)何はともあれ,お役に立てばさいわいです.


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