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仙台感想編


  1. 仙台中心部の大ざっぱな説明
  2. 仙台の四季と気候
  3. 仙台第一印象

仙台中心部の大ざっぱな説明

ページ始めの目次に戻る 仙台市中心部模式図

仙台中心部の大ざっぱな説明を,上の略図の読み方を通して説明します. (以下断らなければ2004年7月現在.)

JR新幹線仙台駅を降りてホームから南口でも中央口でもエスカレータで降りると改札. 改札口を出てからエスカレータでさらに降りると自然に西口に出る. 外に広がっているのは2階の陸橋. 駅から外向き(西)と右手の方向(北)に1辺徒歩約20分の正方形が 仙台市の中心部.

なお,中央口(多くの人は南から来るので進行方向側の出口)から 改札を出て(外への出口に降りずに)すぐ右手にUターンすると, 駅構内で牛タンの食べられる「牛タン通り」. 昼の時間は新幹線が着くたびに行列. どの店が良いかの意見は幅があるようだが,最初の「伊達の牛タン」でOK.

話を仙台の中心部に戻して. 南口の目の前にあるのは南町通だが,これが中心部南端. 東西に走る大通りとしては南から 南町通,青葉通,広瀬通,定禅寺(じょうぜんじ)通の4つが中心部. お店探しの点では,並木で有名な青葉通の すぐ北のアーケード街が東西に走る道では重要. (この,東西に走るアーケード街は愚かにもブロックごとに名前が違うので, ここでは東西に走るアーケード街と書くことにする.) 青葉通は大学(医学部と工学部の一部を除く)へのバス通り でもある. 仙台市あおば通西端広瀬川を渡る大橋 青葉通でバスの100円区間の西端の西公園から広瀬川を渡る大橋と その向こうの青葉山を見渡すのが,典型的な仙台の映像用風景, という説もあるらしい.

仙台市定禅寺通クリスマス期間夜のページェント 並木で脱線すると,青葉通の他に定禅寺通も並木道で, 光のページェントで(大晦日までの約3週間)飾り付けが行われる. 青葉通も一部飾り付けがあるが,定禅寺通は中央分離帯が歩道になっていて 歩けるので光の中を歩けるし,飾り付けの区間も長い.
仙台市8月七夕まつり前夜祭 仙台七夕祭(旧暦対応のため8月7日,の近くの金土日? 2004年は8月6金-8日)のパレードも定禅寺通.
仙台市中心部8月七夕まつり前夜祭広瀬通西端仲の瀬橋花火大会 青葉通と定禅寺通の間の 広瀬通は何もないかというとそんなことはなくて, 仙台七夕祭の前夜祭の花火大会(19:30-21:00)は広瀬通の西, 広瀬川にかかる仲の瀬橋で打ち上げられる. 前夜祭には午後になると駅前や商店街など町中に浴衣姿の女性があふれる. (町中どころか新幹線の車中にも!) 花火大会のはるか前5時頃には浴衣の女性や子供連れが続々と青葉通などを 西に広瀬川と西公園に向かう.早くから場所取りなのだろうか,よく分からない. 広瀬川手前の西公園とともに広瀬通は 西公園から東側(中心側)に向けて 大きい道2本分約500mにわたって18:30から通行止めになり, 人々が敷物を広げて場所取りをしながら宴会を始める. 場所取り必須なので観光客向きではなさそう. 前夜祭は市民向きか. 浴衣姿は前夜祭が圧倒的.七夕祭りの3日間もいるけれども前夜祭のほうが断然多い.

仙台七夕祭には通行を妨害するような 独特の飾り付けがアーケード街にぶら下がる仙台市中心部アーケード街8月七夕まつり飾りは夜間片付けられる 仙台市中心部アーケード街8月七夕まつり飾り

前が見えないので向こうから来る人とぶつかりそうになるが, たぶん「ゆっくり歩いてお店にも寄って」という, 商店街の鋭いアイデアなのだろう. 和紙でできているためちぎれにくく, 柔らかいので人が紙で切られて傷つくこともない. 店にもよるのだろうが毎晩片づけるところもあった.


藤崎の受付のお嬢さんに飾り付けはいつからかたずねたところ, 前夜祭の前の晩からとのこと(2004年7月12日時点)だったが, 実際は前夜祭の前の晩はまだ小さい飾りだけで, 前夜祭に本体を一部で設営始める,という感じだった.

南北に走る道のお店探しで重要なのは一番町と呼ばれるアーケード街 とその周辺,特に西隣(駅から一つ遠い側)の国分町通駅から15分ほど青葉通を歩くと南北に走るアーケードが見える. ここが一番町. 大ざっぱには,一番町は若向き,国分町通はより伝統的な飲み屋街. 正確に言うと一番町と国分町通の間に稲荷小路という, もっと飲屋街した道があるが,青葉通には面していない. キングスクロス駅9と3/4番線というわけではないが, 未成年には勧められないという意味でゼロ番町と呼ばれることもあるのは 稲荷小路のことだろうか?それとも国分町だろうか?

日用品の買物は,ダイエーや藤崎が並ぶ青葉通とそのすぐ北の東西に走る アーケードの周辺のイメージだが,飲屋街となるとそれより北の広瀬通と 定禅寺通の間のほうがぶらぶらしている人が多い印象. この住み分けの最大の理由は,一番町の北の突き当たり,定禅寺通の北側に 市役所,県庁,区役所が集中しているためだと私はひそかににらんでいる.

要約すると,青葉通の北の東西のアーケードと 定禅寺通以南の一番町通の両アーケード街とその周辺, という十字型というよりややL字型の部分が中心と(超初心者的には) 言ってよかろう. L字(十字)型のアーケード街の駅側の端点にさくら野, 折れ目に藤崎,定禅寺通側の 端点に三越,と仙台中心街の大きなデパートがある.

家電・家具小物はそれぞれ駅の東西にあるヨドバシカメラLoft. Loft3階には地震対策用のつっかえ棒が置いてあるが, 置いてあると知って探さないと分からないほど日陰の場所に少しあるだけ. 同僚の先生に聞いたら使っているとのことだから, みなさん配備済みでもうあまり売れないのかもしれない.

洋書や専門書まで置いてある大きい本屋は駅前に3カ所あるだけ. まず南町通のジュンク堂. 2004年7月現在南町通をはさんでLoftの7階とE-Beansの6,7階の 二つの建物に分かれている.理由は不明. あとは駅の北隣アエル1階丸善(駅前陸橋からは1階降りる). 3者の大きさを,2004年8月某日私の本「ランダムウォークとくりこみ群」 (共立出版)が何冊並んでいたかで測ると, ジュンク堂E-Beans店が最大,その次が丸善,最後がジュンク堂Loft店.

ジュンク堂と丸善を除く本屋は小さくて洋書や専門書は期待できない. その中でいちばん大きいのはダイエーの角から北に向かう大通りと 広瀬通の交点(地下鉄広瀬通駅)東北角にあゆみブックス. あとはもっと小さいのが駅前,三越,一番町アーケードのほぼ南端(金港堂)など. ジュンク堂と丸善を除けば,「大都市」にしては本屋には恵まれない. 100万都市(政令指定都市)と言っても, 合併で市域を大きくして人数をそろえただけ, と誰かに聞いた気がする.仙台市は隣の山形県との県境まで 延びる広さらしい. 宮城県の全人口が200万を超えた程度だから, 仙台市が人数をそろえただけというのも謙遜だけではなさそうだ. 人口が小さければ本屋が小さくてもやむからぬところか. もっとも,人数をそろえたことについては, 聞こえはいいので,イメージ戦略としては成功した のではないだろうか?

本屋については,web(ネット)で買って近くの本屋なり自宅なりに配達して もらいましょう,という時代なのかもしれない.


仙台の四季と気候

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(以下,私が気象予報士であることと全く関係ない,たいへん無責任な しろうと感想です.)

仙台は(名古屋や東京と比べると)冬は寒く夏はさほど暑くない. 緯度が違うから当たり前である.

仙台市中心部2月だけの雪景色 2月に着任したので着任早々深夜に積雪の中を歩くはめに. 5cmほどで東北地方では積雪とは呼べない程度だが, 繁華街で5cmの積雪は近年特に,東京や名古屋ではそんなに多くない. もっとも,私は宇都宮にいたこともあるので,備えは万全. ずっと前にカナダのバフィン島に観光に行くために買ったエディバウアーの コート(フード付き)と,着任前に仙台のダイエーで見つけた 完全防水で中に毛が張ってある靴(同僚の先生方や東北地方出身者の アドバイスが大いに参考になった),そして手袋,という万全の備えで 楽々乗り切った.そこまで完璧にやると少々暑いくらい.


春−夏

仙台市中心部あおば通西端西公園4月お花見 積雪は東北地方にしては少ないようで,市街地は2月中の一ヶ月でおしまい. (2004年は全般に冬暖かく夏が暑かったので,平年はこうはいかないかも.) 4月初めは桜の季節.青葉通が町中からはずれて広瀬川にさしかかる 直前にある西公園は花見で盛り上がっていた.
仙台市中心部あおば通5月新緑 そのあとはずっと新緑の季節.青葉通の並木や,青葉通の西公園付近から 広瀬川の西(大学のキャンパスのある岡)の眺めが美しい. 私にとっては大学への通学通勤路でもあり,いい景色だ.


2004年は梅雨がほとんど無く,6月までずっと新緑の季節. 7月に関東が梅雨明けした頃,西側新潟で梅雨前線に太平洋高気圧からの 暖湿気流が当たってその地では珍しい大雨となって堤防決壊,死者数名を出した 災害があったが,そのときは同じ前線と暖湿気流のせいで仙台も梅雨だった. 平年と違って日本海側から回り込んできた風だったため, 雨は日本海側で降ってしまって仙台市街地は雨は短く,フェーン現象 (だと思う)でちょっと暑くなったくらいで,梅雨はあっさり終わった. この頃,正確には7月21日,ニュースで「日本は熱帯ですね」 と言ってしまったキャスターがいたが,「東京は」の間違い.その時期 仙台も暑かったけど,仙台で暑いとは最気温が30度を超えること. 最気温が30度以上だった東京とは 違う気候.日本は縦長の国だと改めて実感. なお,この東京と仙台の暑さは, 太平洋高気圧が平年よりぐぐっと西に寄って 日本の南まで張り出していたため,南風が日本海側から入ってきて フェーン現象が起きたことが大きい. 実際22日以降は再び仙台の最高気温は26度に. はやて・こまちで東京からわずか90分の仙台は 避暑地として軽井沢など相手にならない優れた街だ.

2003年は日本全国冷夏で,その経験からか,着任早々 同僚の先生方から「仙台は寒くて4月にも雪が降る」 「仙台は寒くて夏までこたつがしまえない」などとさんざん脅かされたが, どうやらこれは(2003年については嘘でも無いのだろうが)担がれ気味だった ようだ. 全国的に猛暑だった2004年の経験によると, 仙台市街地の初夏に関しては涼しくて快適である.


仙台市中心部あおば通秋の紅葉 仙台市中心部あおば通西端大橋方面秋の紅葉 春から初秋まで青葉の緑が美しい青葉通りも晩秋になると紅葉する. 春は桜の大橋も秋は紅葉である.
仙台市中心部あおば通西端大橋秋の紅葉 左上:西公園側から東に青葉通りを望む. 上:西公園側から西に大橋・青葉山方面を望む. 左:大橋.


私が気象予報士のために試験勉強していた頃の知識によれば, 仙台を含めて東北地方から関東にかけての太平洋側海岸沿いは, 北のオホーツク海に年中居座っている冷たいオホーツク海高気圧からの 低層の冷たい風の流れ(その名も東北気流)で 頻繁に低温で雨がち (夕立のような背の高い雲から一気に降る驟雨(しゅうう)ではなく, 低層の雲から降るじとじとした梅雨や秋雨のような雨)だとのこと. もっとも,2004年の秋に限って言えば,東北気流を実感するよりも, 天気予報で「気圧の谷」と表現される高いところの西風の脈動に伴う 雲や雨がちょうど東北地方辺りまでかかることや, 北に位置するために日没が早くて,秋分を過ぎるとどんなに早く帰宅しても 真っ暗になることのほうが印象的だ. 気象予報士の勉強で東北気流が強調されるのは南に位置する東京の視点の 気がしないでもない.


仙台第一印象

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表札に付けられた怪しげな記号

中心地の10階建てマンションなどというぜいたくは初めてだったので, 入居時にドアの部屋番号表札の4隅に○や×などの記号が付けられているのを みたときは,窃盗団の下見かと心配になった. 近くの派出所に出向いて,事情を話してこの辺りは犯罪が多いかとたずねると, なんだか曖昧な返事.(一般に警察は犯罪のことはきちんと話してくれないが, 住んでいるところが危ないかどうかはきちんとデータを公開して説明するのが 治安の第一歩ではないだろうか.) この派出所の道を挟んで真向かいにある コンビニで3ヶ月前に強盗が入った,という, 注意を呼びかける張り紙がマンションに貼ってあったことにあとで気づいた. お巡りさんは本当のことが言えなかったのかな,と邪推. ちなみに,その後近所は平和で,表札にあった怪しげな記号は 派出所のお巡りさんが示唆したとおり, 新聞の販売促進員が書いたのだろう.

余談だが,かつて横浜で派出所に落とし物を届けに行ったら, 若い警官が「犯人逮捕は民間人もできる(ひったくりを一般市民が取り押さえるのは 法律上は民間人による逮捕)けど,(事件の)報告書作成は我々警官しかできない」 と言っていた.書類作りばかり忙しくて犯人を捕まえる本来の仕事ができない, という意味だ. 大学も研究者が書類作りに振り回されて, わがままを言わないと研究できない時代になっている. いずこの業界でも本末転倒のことが起こっているのは残念なことだ.

遅れてきた英雄と裏切り者

仙台というと伊達政宗.ウェブで検索すると形容句は「遅れてきた英雄」. 伊達藩をまとめた頃には徳川が天下を取った後だった,という意味らしい. 伊達政宗は徳川家康を表敬訪問した際,当時伊達藩で採れていた砂金を 献上したそうだが,升からあふれ出て畳にこぼれた砂金を扇で払って 周囲を驚かせたとか. 江戸時代の伊達藩と言えば,伊達政宗についで有名(かもしれない)のは 小説・大河ドラマ「樅(もみ)の木は残った」の原田甲斐. 裏切り者の汚名を着て伊達藩の対立する勢力一方を暗殺することで 江戸幕府に伊達藩お取りつぶしの口実を与えなかったとされる,らしい.

どちらも,たとえば尾張名古屋の金のしゃちほこの底抜けの,というより, 恥ずかしくなるような,明るさと比べるとなんだか暗い. 日照も気温も足りないから土地の豊かさで差があって, その結果だろうが人口も東北地方は少ない. 数の勝負をしては勝ち目のない土地柄で, やせがまんと,肉を切らせて骨を切る捨て身と,楽しく遊べるところの 少ないのを生かして腰を落ち着けて地道にがんばること,が東北流かもしれない.

そして,東京から新幹線はやてでわずか90分という地の利を生かすべく, そして伊達政宗のように一歩遅れつつも中央に付いていくことで, 「隙あらば寝首をかくぞ」という発信を続けて日本を驚かすのだろう. 仙台には仙台のやり方があるに違いない.

大学第一印象

私の着任は修論発表会から始まったが, 私が経験してきた中でいちばんまじめだと感じた. 総じて学生がまじめだと感じるのは私だけでは無さそうだ. 最初の学期の成績が学期中の感触をはるかに越えて 成績優秀が大半だったことには驚愕すらしたが, これは成績優秀でない約同数の学生が別の先生の試験に逃げた 結果ではないかと疑われるフシもあるので, まじめであることは本当でも,平均的に優秀とは判断できていない.

私の着任の最初の週末は歓送迎会だったが, 出て行かれる堤,中川両先生の人徳なのは間違いないが, 3次会まで大勢参加されたのも印象的だった.

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