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解答例1の訂正 服部哲弥
特別の記述がない限り,以下の訂正で 「(yyyymmdd版)」 とあれば,
yyyy年mm月dd日とそれ以前のバージョンに共通する訂正.
バージョンは印刷したときの1ページ目右上の「v」で始まる数字(日付).
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(19980624版) [22](5)
1行目: A'5 と A5 が同じになっている.
A5 は問題文にあるとおり,y の上限下限とも等号を含む.
(A'5 は解答例のとおり,下限の等号を除く.)
(なお,A5 から A'5 への変形は,
問題文に指定された測度の定義にそうように行っているのであり,
この測度の本質を知っている人から見れば本質的ではない.)
下から7行目:最右辺はさらに 1/2 倍しないと正しくない.
従ってその下の行 A'5 の測度は 1/12 以下となり,
同様に I-A'5 の測度は 11/12 以下となる.
その次の行も順に, 5/6 →11/12, 1/6 →1/12, 1/6 →1/12, と訂正.
最後から3行目も 1/6 →1/12.
(19980824落合啓之先生)
(哲弥注.) 落合先生はさらに Fubini の定理
μ(A)= ∫01 μy(Ax)dμ(x)
を用いれば計算が早いことも示しているが,
元の出題意図はFubiniの定理を既知としていないようなので
詳しいことは省略する.
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(19980624版) [21](3)(4)
問(3) は 問[20](3) との関係にも注目すること.
問(4) の最後の行:F(x)=1 → F(1)=1.
(19980824落合啓之先生)
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(19980623版) [18](1)の4行目 (測度の連続性ではなく単調性を用いた別証明.)
元の解答例のような,単調増加して x に近づく数列 xn の他に,
単調減少して x に近づく数列 yn を用意すると,
測度の単調性から xn μ([0,1]) < μ([0,x])
< ynμ([0,1]) となり,
n について極限をとって数列の極限に関する挟み撃ちの原理を用いれば証明終わり.
(19980824落合啓之先生)
(哲弥注.)
連続性の代わりに「単調性を使いたい」(落合先生談)と感じるのはプロの感覚であり,
私を含めてプロなら誰でも落合先生の証明の優位を認めると思うが,
その根拠は証明の robustness (頑丈さ)という微妙な感覚(プロはあからさまに
そう語ることを躊躇する感覚)に基づくものであって,
ルベーグ測度の基礎のような,
確立して研究の終わった分野ではその優位性は殆ど形式的・趣味的なものである.
初学者は最初は,単に別解がある,とだけ理解していてもよい.
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(19980623版) [17] (ルベーグ外測度の並進不変性と定数倍に対する
線形性を既知とした場合の別解の概略.)
A=δ A+(1+δ A) だからルベーグ測度の並進不変性と線形性から
Γ(A)=Γ(δA)+Γ(1+δA)=2δ Γ(A).
δ < 1 なので Γ(A)は有限であり,
δ が 1/2 でないので上式から Γ(A)=0 となる.
(19980824落合啓之先生)
(哲弥注.)
ルベーグ外測度やルベーグ測度に対する理解という観点からは
落合先生の別解のほうが正しい解である.
しかし,初学者の教科書では紙面の節約から,ルベーグ外測度を定義したのち
できるだけ早くルベーグ測度に至り,その後にその性質として並進不変性などを
証明する.その流れの中ではルベーグ外測度の並進不変性等は陽には出てこない
ので,この別解をここで推奨するものではない.
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(19980611版) [7]の2行目
最初の Akc の補集合の記号 cは内側の括弧の
外にあるべき.(即ち,共通部分を取ったあとで補集合をとる.
ド・モルガンの法則から,その次の変形で補集合の和集合になる.)
(19980824落合啓之先生)
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(19980611版) [5](2)の5行目
「∩」 → 「∪」
(19980824落合啓之先生)
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(19980611版) [4](2)(背理法を陽に用いない別解.)
問題の集合族(筆記体A)は可算和について閉じているから,
有限和についても閉じるので A と B の和集合 A U Bは集合族の要素である.
測度の加法性と K および B の定義から
K ≧ μ(A ∪ B) = μ(A ∩ Bc) + μ(B)
= μ(A ∩ Bc) + K.
全体集合の測度が有限だから K も有限実数なので,
両辺から K を引けば証明終わり.
(19980824落合啓之先生)
(哲弥注.) 落合先生は論理的理解の構造という一段高い見地から
この別証明を提案された,と思う.しかし,初学者諸氏は,まず,
どのように証明しても K が有限であることをどこかで用いることに注意してほしい.
実際,全体集合の測度が無限のときこの問題の反例がある.
そして反例の K は無限になっている.
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