日本語トップ>
講義>
数学基礎1 後期試験付属アンケート集計結果
∞.結果の簡単な分析.
ここに掲示したものは,
短くするために,アンケートの言葉そのものではなく,分類したものです.
分類にあたっては,1999年度後期に行った同様のアンケートの集計結果を
参考にしました.
(アンケートのみかた等はこのページの下にあります.)
1999年度後期と比較すると,
-
板書の字
-
口や板書の速さ(特に押さえがきかないとき)
は改善していませんが,
は,正否均衡していて改善されている印象を受けます.
内容に関しては応用的な後期に比べて理論的基礎的な前期ですが,
世間で言われているかもしれないよりは肯定的に受け止めてもらっています.
TeXに関しては電気電子情報工学科以外の学科も計算機演習等の時間に
カリキュラムを入れていただけることを望みます.
数学記号を適切効率的に電子的に情報伝達するためにはTeXはもはや欠かせません.
TeX文書を閲覧印刷するだけならば計算機演習の中で30分あればすむはずです.
演習の時間がほしいという声は強いと思いますが,
現在のカリキュラムではとても手が回りません.
1.授業に出席した諸君の集計結果
webページに添付・公開している講義録に関して
- TeX は自宅で使えない(別のソフトで書いてほしい).2件
- 電気電子ではTeX を習うが化学生物では習わないので
工学部計算機端末室での操作の説明がほしい.2件
- LaTeX の使い方のプリントを最初にほしい.1件
- (電気電子以外は)見れないので,プリントして配布してほしい.1件
- 復習の役に立つ(テスト前の見直し,板書が読めないので必要,
授業中にノートを取らずに内容に集中できる).9件
- 予習の役に立つ(内容が高度なので必要).2件
- 講義と相補的に使える(講義録で一般論ノートで例,授業でできなかった
導出).4件
- もはや教科書である.1件
- あってよかった.参考になった.役に立った.2件
- 難しかった(内容が高度,難しい文).4件
- 分かりやすかった.1件
- 具体例も講義録に書いてほしかった.1件
- 演習問題もwebに貼ってほしい.1件
- ホームページがすごいと思った.店の紹介などもあって楽しんだ.2件
メールに関して
- メールで質問したら返事で(次の授業で)丁寧に説明してくれた.3件
授業の内容・構成に関して
- 定理や公式の意味を「気持ち」という説明をして分かりやすかった.8件
- 「気持ち」だけで考えては間違う場合も説明したので理解が深まった.1件
- 「気持ち」というのが分からなかった.2件
- 「気持ち」は理解が容易になることも難しいときもあった.1件
- 授業の始めの前回の復習で当日の講義が取り組みやすくなった.8件
- 前回皆が分からなかったところをやり直してくれた.2件
- 前回の復習より,先に進んでほしかった.1件
- 分かりやすい(例が多い,説明が丁寧,わかりにくいところが詳しい,
まとまっている,速すぎない,図やグラフで視覚的).15件
- しっかりしたよい講義(定理・公式の証明が理解を助けた,深く追求できて
よかった,細かいところまで注意深い,曖昧さが少なかった,
簡単なことへの細かい説明が数学らしくて面白い).13件
- 内容が難しい(詳しすぎる,いきなり難度が上がるのでとまどう).4件
- もっと詳しく説明してほしい.2件
- 定理の使い方の例を増やしてほしい.3件
- 定理を具体例で使ったのが理解の助けになった.1件
- 漸化式で n=1,2 で代入して確認するのはいいが,
n=4,5 とややこしくなるまでやるのは時間のかけすぎ.1件
- 高校数学の延長の教え方で分かりやすかった.1件
- 高校数学の復習のようなことはしなくてよい.1件
- 工学の面で見ると応用に力を入れてほしかった.1件
- ε-δ論法を詳しく説明してほしかった.1件
- ε-δ論法を詳しくやってくれて理解できた.2件
- テーラー展開の利用法がまだぴんとこない.1件
- 授業のペース配分を考えるべきだった(最後の積分を詳しく).2件
- 授業中に演習をしてほしい.9件
- 演習の機会がなかったがしかたない.1件
- 現在の構成でよい(計算は自習できる).1件
- 宿題を出してほしい(マスターすべきポイント).2件
- たまには雑談を入れてほしい.1件
授業の形態(内容・構成以外)に関して
- 板書が読みにくい(大きく,丁寧に,複雑な記号など).37件
- 板書が大きくてみやすい.2件
- ノートを取る間に聞き逃す(板書が速すぎる,早口すぎる).18件
- 講義終わり15分,最終回近く,夢中になると(読みにくい,速い).6件
- 知らない記号を説明してほしい(A, E の逆).6件
- 毎回板書のレジメのプリントを配ってそれに基づいて講義してほしい.1件
- 板書が整理されていた.1件
- 黒板の使い方が悪い(「補題」などの範囲が不明確).1件
- (留学生なので - 哲弥注)言葉が授業中に分からなかった.1件
- 熱意を感じた(授業に遅れなかった,休講がなかった).16件
- 質問に適切・丁寧に答えてくれる(字が読めなくて困っていると気付いた,
生徒とのコミュニケーション,ぎりぎりまで応じてくれる).8件
- 授業前から来ていたので,授業前にも質問できた.1件
- ゴールデンウィークの狭間の登校日を休講にしたのはよかった.1件
- テストを中間・期末に分けた(範囲が広すぎず勉強しやすい,救済).8件
- 過去問配布も勉強しやすい.解法付きだったのでよかった.7件
- 出題内容の公表は勉強しやすい.4件
- 出題内容の公表は助かるがやらないところができてしまう.1件
- 同じところを何度も復習したので重要なところが分かった.1件
- 試験範囲は隅まで講義してほしい(教科書の問題で習わない公式).1件
教科書に関して
- 教科書をもっと利用すべきだった,教科書に沿ってない.2件
- 詳しい解法の載っている教科書を選ぶべきだった.1件
- 教科書の演習問題の途中の変形や説明をプリントにしてほしい
(解説がないので自習しにくい).2件
- 例題も多く演習問題も良問が多いので適切な教科書だ.1件
- よかった.1件
2.欠席の多かった諸君の集計結果
欠席の多かった理由
-
授業があまりに難しかった.しばらくはノートを写していたが,
意味がないように思えてきた.そのうち授業に出ても意味がないと思うようになった.
-
講義を聴いても全然理解できず,高校のときとは比べものにならないくらい
スピードが速いので分からないところを考えている間にどんどん授業は進んでいき,
結局殆ど分からないで授業が終わっていくのでだんだん諦めるようになった.
-
講義の速さについていけずに,ノートを取ることさえも満足にできなくなって
しまい,諦めてしまった.
-
講義の内容をしっかり理解することができなくなってしまったから.
-
居眠りをした回があって,その次の回に「前回の分のノートを取って理解してから」
と思って欠席したのが,後回しになっていった.
-
内容が,やりたいことではなく,おもしろみがなかった.
-
さぼったほうが楽だから.
-
持病のアレルギー症状が出てしまい,火曜日午後に病院に行かなければ
ならないことが多かったため.
-
私費留学生なので生活費を稼がねばならず,家も大きな借金があるので,
アルバイトが毎日の大部分の時間を占めた.
勉強方法
-
とりあえず講義ノートに目を通した.
よく理解できなかったので教科書を読んだ.
それでも演習不足なので「微分積分演習」という本を買い,
その本がとても理解しやすかったので,
そちらを中心にテスト勉強を行った.教科書の演習問題で分からない問題は
「微分積分演習」の本に載っていた.
-
週末などに友人からノートを見せてもらい,それを写して,
自分である程度考えて,分からないところは友人に質問した.
試験勉強は,ノートは普通にそろっていたため,ノートと,
計算機から落とした講義録と,教科書を参考にしながら勉強して,
友人に質問した.
人によってノートの取り方が違うので,もう一人の人のノートも
写させてもらった.
教科書の演習問題を中心に解いた.
-
毎日少しずつ教科書を読んでいたらだんだん面白くなってきて,
夏休みは暇があれば問題を解いていた.
-
友人にノートを借り,講義の復習をやり,教科書を見直した.
あとは,演習問題を解いた.
-
主に教科書,ノートがあるところはノートで固めた.
友人にもらった講義録のコピーのあるところは参考にした.
-
教科書を読み,章末の演習問題を解いた3件.
-
教科書の指定試験範囲を繰り返し勉強した.
0.アンケートの意図について.
教員が学生の学習達成度を評価するだけでなく,
学生が教員の授業内容を評価すべきだというかけ声があります.
かけ声(に隠された意図)には賛同しませんが,
教員が学生に評価されるという意識を持って授業することも
授業の改善につながるとは思いますので,
出席点代わりに試験問題に授業評価のアンケートを出題しています.
2000年度数学基礎1試験問題3問中問3として100点満点中20点を配点しています.
配点は明記していませんが,試験中に質問に対して配点有りと明言したこと,および,
実際の回答率(76/76)から明らかなように,
棄権が事実上選択肢から除外されています.
従って,講義にあまり出席しなかった学生の,
薄い印象に基づく回答を分離する必要があります.
このため,出席半分以下であるか否かによって問題を選択するように出題しました.
具体的には次のように出題しました.
以下のいずれか該当するほうに答えよ.
(i) 講義に半分より多く出席した諸君.
講義(教官)を「採点」せよ.即ち,良かったと思う点と(教官が)改善すべきだ
と思う点を各1つ以上挙げよ.
(ii) 講義のうち半分以下しか出席しなかった諸君.
出席の少なかった理由と,試験のためにどのように勉強したかを答えよ.
(半分くらい出席の場合は (ii) を選ぶこと.)
結果は出席者用問題を選んだのが66,不出席問題を選んだのが10でした.
(仮に66名が2/3を出席,10名が1/3を出席,とすると平均は47となります.
実感に合うので,概ね良心的に解答を選んだと推測します.)
なお,採点においてはどちらを選んだかは影響しないようにしています.
出席か不出席かによる成績の差は検討していませんが,大差ないと思います.
不出席諸君も大部分が web上公開している講義録を勉強しているので,
講義自体の問題点ではなく,
人によって合った勉強の仕方がいろいろある,ということだと思います.
自由記述としたのは,採点方式だと比較の基準が人によって違うことが
立教大学時代の分析で分かっているからです.
(立教大学時代の分析については講義録のページの解析学1の授業評価のページ参照.
本人の期待に比べて,他の先生に比べて,前の年度に私が担当した科目に比べて,
他の設問項目に比べて,などの基準がありました.)
前任地立教大学時代以来,アンケート結果を時々張り付けることにしています.
来年度以降の受講生にとって以下の利点の可能性がある,という理由によります.
-
この講義の様子を知る参考になる.
-
評価意識の養成ができる.即ち,
授業評価という意識を持って授業に臨むことで,
より有効な評価を下せるようになる.
日本語トップ>
講義>