整理しておくべきキーワードをあげておく.
フェーン現象で例えると,山を越える気塊について, θは凝結なしに山を越えて1000hPaに降りて来たときの温度, θeは山を越えるときに上りで雨を降らせて乾燥してから 1000hPaに降りてきたときの温度.
フェーン現象は相当温位が不変,上りで雨を降らせると, 混合比wが減るのでθは山を越える前に比べて大きくなり, 山を越える前と同じ高度(p=p0)で比べると気温が上がる, と説明できる.
対流不安定は dθe/dz < 0.空気の柱が強制上昇すると いつか不安定になるということ. 対流不安定な空気(下層の温暖湿潤気流など)が,上昇流の場 (低気圧や前線などの総観規模要因(ω方程式も参照)や 地形性や水平収束などの中小規模要因)に 入ると,強制上昇が起きて不安定となり,強い対流が始まり, 対流性雲(積乱雲)が発生し,強い対流性降水が起きる.
安定性に関連してエマグラム(状態図)の読み方を勉強する必要がある. 乾燥断熱曲線,湿潤断熱曲線,等(飽和)混合比線が目盛りとして引いてある. 関連するキーワードは SSI,逆転層,沈降性逆転層.
総観規模の上昇流を判定するときは700hPa天気図のP-VEL < 0を確認する. ω方程式も参照. 中小規模の上昇流は地形性のものと,地上天気図や850hPa天気図の 風向風速を元に水平収束を検出することで上昇流の存在を推定する場合がある. 水平収束は前線(不連続面)と,それより小規模な二つの下層気流の合流域がある.