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1999年度後期於名古屋大学工学部1年数学基礎3期末試験付属アンケート
(2000/04/13)九州大学の落合啓之先生が,このページをごらんになって
早速ご意見を寄せて下さいました.
教員が学生の学習達成度を評価するだけでなく,
学生が教員の授業内容を評価すべきだというかけ声があります.
かけ声(に隠された意図)には賛同しませんが,
教員が学生に評価されるという意識を持って授業することも
授業の改善につながるとは思いますので,
出席点代わりに試験問題に授業評価のアンケートを出題しています.
1999年度数学基礎3試験問題3問中問3として100点満点中10点を配点しています.
配点が明記されていること,及び,実際の回答率(74/75)から明らかなように,
棄権が事実上選択肢から除外されています.
従って,講義にあまり出席しなかった学生の,
薄い印象に基づく回答を分離する必要があります.
このため,出席半分以下であるか否かによって問題を選択するように出題しました.
具体的には次のように出題しました.
以下のいずれか該当するほうに答えよ.
(i) 講義に半分より多く出席した諸君.
講義(教官)を「採点」せよ.即ち,良かったと思う点と(教官が)改善すべきだ
と思う点を各1つ以上挙げよ.
(ii) 講義のうち半分以下しか出席しなかった諸君.
出席の少なかった理由と,試験のためにどのように勉強したかを答えよ.
(半分くらい出席の場合は (ii) を選ぶこと.)
結果は出席者用問題を選んだのが50,不出席問題を選んだのが24でした.
(仮に50名が3/4を出席,24名が1/4を出席,とすると平均は44となり,実感に合うので,
概ね良心的に解答を選んだと推測します.)
なお,採点においてはどちらを選んだかは影響しないようにしました.
出席か不出席かによって成績に違いはまったくありませんでした.
不出席諸君も大部分が web上公開している講義録を勉強しているので,
講義自体の問題点ではなく,
人によって合った勉強の仕方がいろいろある,ということだと思います.
(出席諸君の回答だけで膨大になったので,
今回は不出席諸君の回答の掲示は割愛させていただきます.)
自由記述としたのは,採点方式だと比較の基準が人によって違うことが
立教大学時代の分析で分かっているからです.
(立教大学時代の分析については講義録のページの解析学1の授業評価のページ参照.
本人の期待に比べて,他の先生に比べて,前の年度に私が担当した科目に比べて,
他の設問項目に比べて,などの基準がありました.)
前任地立教大学時代以来,アンケート結果を時々張り付けることにしています.
来年度以降の受講生にとって以下の利点の可能性がある,という理由によります.
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この講義の様子を知る参考になる.
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評価意識の養成ができる.即ち,
授業評価という意識を持って授業に臨むことで,
より有効な評価を下せるようになる.
アンケート集計結果
授業の形態(内容以外)に関して
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板書の文字が読みにくい(読めない,きたない,
お世辞にもきれいな文字とは言えない,
きれいな字で書いてほしい,
読みやすい字を書いてほしい,丁寧に書いてほしい,
など含む).23件.
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もう少し字を大きく書くと読みやすい.3件.
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文字か数字か分からないことがあった.
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字や図がきたなくて何を書いてあるのか分からないことがあった.
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特に赤で書かれると見えない.
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(講師が)集中したときにどんどん字が分からなくなっていく.
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講義に出席するより講義録で勉強した方がいいと思えてしまう.
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もう少し黒板をゆっくり丁寧に書いてほしい(書くのが早い,写しきれない,
速くなると字が雑になる,等を含む).6件.
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黒板が見にくく消すのが速いのでノートが取れなかった.
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黒板を写していて説明を聞き逃した部分もあった.
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書くことが多くなり,ついていくのが困難であった.
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進むのが速いというか,やることが多かったため,ノートを書くのが精一杯で
授業中にあまり理解できなかった.
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乗ってくると黒板を書くスピードが上がっていってついていけなくなる.
字も読みづらくなる.
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特に授業が終わる10分前くらいから字が読みづらい.
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話すペースが速い.
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しゃべりが速いときがあった.
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早口なので聞き取りにくかった.
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速度が速い(ので時間中に整理するのは不可能だった).
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最後のほう(積分の辺り)がスピードを上げて授業をしたからか,
少し分かりづらかった.
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図が理解できないことが多かった.
複数通りの場合を一つの図に重ねて書いてあるものや
記号が小さくて読めないものに苦労した.
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(学生を)あまり見ないで自分が話すのに夢中になっているときがあり,
そのとき内容がよく分からなかった.
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黒板をうまく使うほうがいいと思う.
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ノートがごちゃごちゃして見にくく,何を言いたいのか分かりにくい.
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板書が意味不明に陥る.
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わかりやすくしようとする試みがなされていて良かった
(分からないところは詳しくやってくれた,
理解していないと感じると繰り返し説明してくれた,
分からないとどこが分かってないか聞いてくれる.
難しいところは時間をかけて説明してくれた,
いろいろな説明をしてくれた,
一所懸命理解させようとしてくれる,
理解しにくい数式ばかりが並んでいる部分をわかりやすく説明してくれた,
等を含む).
8件.
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丁寧に説明していたのでわかりやすかった(理解しやすい,
細かいところまで説明してくれて良かった,等を含む).
7件.
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「分からせる気」が強かったと思う.先生としては当然のことだが.
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授業に対する熱意がとても感じられた
(熱心に取り組んでいる,熱意は満点に近い,等を含む).
4件.
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授業に遅れず終わりも延長しなかった(ことが良かった).
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授業に対してしっかりしている.遅れてこないし,突然の休講がない.
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質問などに丁寧に答えてくれるところは良かった.3件
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質問に適切に答えてくれる.
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わかりやすくなるよう努力してくれたおかげで質問などがしやすかった.
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丁寧に教えてくれる.質問を受け付けてくれた.僕らの理解を第一に考えてくれた.
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分からなかった点も授業後に質問にいけば詳しく説明してくれる.
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生徒の意見を聞きながら講義をしてくれたのはとても良かった.
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生徒とのコミュニケーションがとれていた(のが良かった).
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個人的に時間をとってくれるところも(良い).
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私語をしている人たちがまじめに講義を受けている人には迷惑なので,
厳しく注意すべきだった.
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後ろでしゃべっている人たちに注意しなかったのは改善すべき点.
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騒がしすぎる.お菓子を食べている人くらいには注意してほしい.
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食後の時間のためかつい眠くなってしまう.
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途中で寝てしまう人がたくさん出てくるのでそれを何とかした方がいいと思う.
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部屋が暑い.
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数式・例を挙げた授業の方が(言葉での説明の多い講義録より)わかりやすかった.
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授業ノートが理解には一番役に立った.
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講義録を読んだだけでは分からないところはノートを見て勉強した.
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定理などに講義録と同じ番号を付けてくれたので,
あとで見直すときに見やすかった.
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テストを2回(中間・期末)に分けたこと(は良かった).
範囲が広すぎないので勉強しやすい.
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中間と期末に試験を分けて(試験)範囲を教えることによって,
また,記憶が新しいうちにテストをすることによって,
勉強する上で頭に入りやすかった点(が良かった).
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時々前に座っている人とだけ個人的に話していることがあったが,
何を話しているのか気になったので,授業の内容のことなら他の人にも
分かるように言ってほしいし,そうでないなら話すのを講義時間外にしてほしい.
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授業中突然あてられても何が分からないか整理できてないことが多く,困る.
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教科書を使わなさすぎ.
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出席の管理をしたほうがよい.
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授業がなぜか楽しく感じて1時間半が短く感じた.
授業の内容に関して
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授業の進度のペース配分をもっと考えるべきだったと思う
(積分が前・後期ともあまりやれなかったので).
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微分に時間をとりすぎて積分がほとんどできないのはきついと思う.
工学部ということを強く意識して理学部とは明白に違いをつけるといいと思う.
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授業時間数の関係で仕方ない面もあるが,
積分についての講義時間を増やすといいと思う.
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一つ一つのことに時間がかかって,この先重要になると思われる積分があまり
できなかったこと(が課題).
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積分の講義は,高校のときにやってたことを詳しくやったので,
なかなかおもしろかった.
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もう少し多く例を挙げてほしかった.
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一般論ばかりで具体例をあまりやってくれないので自分でやらないと分からない.
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数学屋さんは説明にこだわりすぎる.詳しすぎて何が言いたいのか不透明になる.
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理論や証明が多く,それを実際に用いて解くことがなかったのが残念.
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定理などの「言葉の数学」が多くて具体的な演習が少なかった.
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具体的な数字を使っての例題をもっと授業に取り込んでもらいたい.
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計算の練習をもっとしてほしかった.
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小テストとして前回の復習をしてほしかった(回収もせず出席もとらない形で).
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授業中にもっと演習を行ってほしい.
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授業中に演習をやったほうがいい.問題をやらないと分かりにくい.
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授業中に演習をするほうがいい.
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宿題を出したほうが(演習ができるので)良い.
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一つ一つの定理について例を挙げたのは文字ばかりの定理を理解する手助けとなった.
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その場に応じた適切な例を挙げてくれたので,定理をどういうときに使うのかが
わかりやすかった.
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例題なども出したりして解き方の解説もしっかりやっていたように思う.
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こまめに例を挙げてくれたこと(は良かった).
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例題などがわかりやすかった.
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詳しすぎる.
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内容が少し難しい.
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わかりやすく,ていねいに説明しようとしていたのがよかったが,
内容が難しかったので,わからない所は,よくわからないまま終わってしまった.
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説明する点が微妙すぎて説明しづらいこともあるだろうが,
内容がわかりにくかった.
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理解できないことがあったので,もう少し易しくしても良いのではないだろうか.
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内容は簡単なのに説明のほうが難しいということもあった.
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説明するときに難しい言葉を多用するので混乱させられた.
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定理や命題を難しい言葉で説明するだけでなく,
「気持ち」という形でわかりやすく説明してくれたところが良かった.
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教科書では難しい言葉で書いてあって,結局どういうことか分からないところを,
先生は黒板で「…という気持ち」というふうにわかりやすい表現にしてくれたところ.
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講義の中や講義録の「気持ち」の部分が良かった.
大学の先生はイメージしやすいように教えてくれる先生は
あまりいないのでとてもありがたかった.
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「気持ち」でイメージをわきやすくしてくれるところはよかった.
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「気持ち」というのがニュアンス的にわかりやすかった.
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こういう「気持ち」で考えればいいといったことを聞くと混乱してしまうので,
ないほうが良かった.
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「気持ち」というのがどう考えていいのかよく分からなかった.
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授業の始めに前回の授業を少し復習してくれるのもありがたかった.
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講義の前にその日やるところを言ってくれたところが良かった.
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テスト前に「復習」してくれたのが良かった
(テスト問題の傾向を公開した,試験のポイントがわかりやすい,等を含む).
4件.
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極値問題の関数を家のパソコンでグラフに書かせたら
けっこう面白かった(極大,極小,峠点,が実際確認できた).
webページに添付・公開している講義録に関して
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(講義録があることが)良かった
(ホームページ上で見れたことが良かった,
プリントできたことが良かった,充実していた,等を含む).9件.
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授業中に板書を写すことに神経を使うことなく,
自分で考えながら授業を聞くことができた
(聞くことに集中できた,ノートの取り逃しがない,等を含む).6件.
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板書を写しきれなかったり字が読めなかったりしたので助かった.2件.
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手間が減った.
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1年を通して授業でどんなことをやるのかわかって勉強しやすかった
(講義録通りに進むのでペースがつかみやすいのが助かった,
授業がどのように進んでいくか予想がつく,
予習が楽だ,等を含む).6件.
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前もって講義がどのくらいのペースで,どのような内容を教わるのか,
ということが,たいていは分かった.
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復習がしやすい(テスト前に見直すとき役だった,,等を含む).2件.
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授業・ノートがわかりにくくても講義録があるから,両方見れば何とか理解できた.
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自習がしやすい.
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講義が受けられなかったときパソコンで(講義録をホームページで見て)
授業(内容)をチェックできた.
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詳しい説明などが分かった(のが良かった).
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(講義で)省略した部分も講義録で理解できた.
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授業の説明の補足として(良かった).
教科書では説明が不十分なところを詳しく解説してある点(が良かった).
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講義録と授業でやることがほとんど同じなのでノートを取ろうかどうか迷った.
講義録の内容に関して
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文章中心で理解しづらい所があった.例題などを入れてくれるともっと良いと思う.
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言葉での説明が多い.
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内容が少し高度で理解するのが困難であった.
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練習問題がほしかった.
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具体的な例題とやり方が書いてあったので定理や公式の使い方を確認できて良かった.
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極値の説明のところで,1変数関数での考え方が書いてあったので想像しやすかった.
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(講義録の範囲に比べて)テストの出題範囲の狭さに驚いた.
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(最後の積分の辺りについて)テスト範囲に事実上(?)入らなかったから
勉強は楽だったけれど,そうなるとさらにノートを見直したりしなくなったので,
よく理解しないままになりそうな気がする.
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