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落合先生の TIPS


授業に出ることの意味の一つとして「同級生と受けている」ということも あると思います。マラソンの選手は本来はよいコーチととともに一人で 練習できるはずですが、実際は多くの優れた部員のいるところからのほうが 育ちやすい。もちろん、有森のような優れた力の持ち主にとっては どこでも勉強できるわけですが、ここで議論の対象となっているような 一般の学生にとって見れば、やはり同程度の力の友人と共に学んで行くという のは励みにも刺激にもなります。僕のように独立心や克己心に乏しい学生に とってみれば、教員と直接というよりも、友人から学んだ(盗んだ?)ことの 方が多いと言えます。自分がついて行けない講義で友人もついていけてなければ、 教員の説明を疑うし、自分だけついていけてないときは内容や勉強の方法を 教われました。

僕の受けた3年生までの教育では教師との「直接の」コミュニケートで 得た物って、、、?


アンケート: 板書の文字が読みにくい (読めない,きたない,お世辞にもきれいな文字とは言えない, きれいな字で書いてほしい,読みやすい字を書いてほしい, 丁寧に書いてほしい,など含む).23件.

レトリックの問題かもしれないから、間違ってるかもしれないけど、 「下手だ」といって文句を言っている学生はいないみたいで、 「きたない(きれいでない)」と言ってるよね。 あと、それの系として「読めない」ということ。

僕も字は上手でないし、授業で残り時間が少なくなるとより下手になるけど、 気をつけることは 「一つ一つの字を離して(分離して)書く」 ということだと思っています。 つまり、読めない字でも単独で出てくればその次の字や 前の字は読めるかもしれない。 そうすれば、文脈で補えるかもしれない。

実際は、続け字、崩し字が難読の原因の一つだと思います。 積分の dt, 添え字の x_{ij} など、どうしても字がくっつきがちですが、 一つ一つを分離して書く。 「...とおく.」「...を示す.」などの慣用句はついつい殴り書きになりますが、 (黒板に書くのなら、)続け字は止めて「と」「お」「く」「.」と書く。 もちろん、より時間はかかるようになるんだけど、 まあ、仕方ないよ、そんなには違わないし。


アンケート: もう少し字を大きく書くと読みやすい.3件.

大きく書くときは黒板から離れて書くので、はっきりした字になるという 効果があるようです。ノートを見ながらより、左手に何も持たないで書くと 読みやすいのも同様の理由。


アンケート: 特に赤で書かれると見えない.

これはもう気がついていると思うけど、学生の言うとおり。 字を書くのは白と黄色以外はダメ。 赤や青はアンダーラインや四角囲みに使うとか、 板書の訂正で使うとかだけ。 赤で大事な用語を書くのはご法度。


アンケート: 字や図がきたなくて何を書いてあるのか分からないことがあった. 図が理解できないことが多かった. 複数通りの場合を一つの図に重ねて書いてあるものや 記号が小さくて読めないものに苦労した.

図は(図も?)正確に写そうとしているので、多色の絵や 線が込み入るような絵を書くのはダメ。 マルチウインドウ方式で、同じフレームを何枚も書いて、 それに次々に絵を書くのが好まれる(アニメのセル画を作って行くように。) 色を使うより、波線や点線、2重線の方が、単色でのノートがとりやすく ノート時間も短い。


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