これから書く「傾向と対策」は,私自身のために編み出したものですから, 私と似た背景を持つほど役に立ちやすいはずです.それを「仮定する予備知識」 という形で書きます. 以後,「試験」とは気象予報士試験のことです.
以後のページは,以下の本を持っていることを前提にしている. 例えば,これらの本に整理されている具体的内容は該当する章を示すだけにして, 本の使い方(勉強のしかた)を中心に解説する. それぞれの本の役割の 詳しいことは概要のページを参照.
大学の教養科目程度. 理想気体の状態方程式やエントロピーは学科・実技とも必要だし, 計算できるほうが勉強もしやすい. エントロピーは教科書の説明が不適切な場合があって勉強しづらいが, 理想気体だけなら陽に計算できる. エマグラムの使い方を学習するときも熱力学の知識が役に立つ.
予備知識がなくても,「一般気象学」や「天気予報の技術」には 「大気の熱力学」(「一般気象学」3章,「天気予報の技術」IIの4)という 項目があるので勉強できる.
大学物理系学科の専門科目. 試験で偏微分を含む数式を問われることはないので, 流体力学の専門知識は実はあまりいらないみたい. (数値予報は流体力学の方程式を計算機が解くのに, それを知らなくても構わない,というのも変な話.) 試験には出ないが,本を勉強するときに偏微分記号に驚かずに 式の意味を考る気になれる点では,慣れていると有利.
「大気の運動」(「一般気象学」6章「天気予報の技術」IIの5)で勉強できる.
高校のときだったと思うけど, ラジオの気象通報を聞きながら我流の白地図に書き込んで 我流の天気図を書いた経験が何回かある. 同じ頃2年以上にわたって新聞の天気図を毎日切り抜いて,古い電話帳に 張り付け,通して眺めることで季節毎の天気図の動きの季節毎の特徴を観察し, 我流の天気予報を作った. いずれも我流なので,予備知識ではないが,単に天気を含む自然に対する興味だけ ではなく,天気予報に対する興味が 試験勉強の原動力になることは間違いない. 「未来の天気の兆候を現在のどのような事実に求めるか」という 視点への興味である.