日本語トップ> 雑記帳> 確率論セミナー>

東北確率論セミナー 竹田雅好,服部哲弥 過去の記録

前年度までの記録です.
2008年度 確率論セミナー どうなる5年目?

日時: 2009年03月17日(火) 16:00-17:00

講師: 服部 哲弥 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: くりこみ群と流体力学極限

2009年3月確率論セミナー後にいただいた花束 2009年3月いただいた花束とともに

概要:  講演者の研究から,数学と自然・社会の関わりの最近の例を挙げる. 現象に触発された数学として, 「ランダムウォークとくりこみ群」(服部哲弥,2004)から くりこみ群が定義する$1$次元確率連鎖の一般化した重複対数の法則(5章)と ガスケット上の自己回避経路のくりこみ群解析(6章)の話, 数学による現象の理解として, 確率ランキング模型によるwebランキング分析の最新の話まで, を取り上げる.

セミナープレゼン  (約320KB 23 pages pdf file)

備考: 科研費(科学研究費補助金)基盤B 17340022「くりこみ群に基づく新しい確率解析の構築のための基盤研究」 研究成果報告


日時: 2009年01月29日(木) 15:45-17:15

講師: 篠田 正人 氏 (奈良女子大・理)

場所: 数学棟518

題目: ある直積グラフにおけるパーコレーション無限クラスターの個数について

概要:  パーコレーションの低温相における無限クラスターの個数は, 考えるグラフが Zd であれば一意である. 一方,考えるグラフがtreeであれば無限個の無限クラスターが存在する. この中間として,treeと Z の直積グラフでは, 無限クラスターの個数が無限個である相と一意である相の両方が現れることが 知られている. 本講演では,一般のグラフと Z との直積グラフを考え, 無限クラスターの一意性が成り立つためのある十分条件について述べる.


日時: 2009年01月15日(木) その1 14:00-16:00頃

講師: 牛山 辰哉 氏竹島 佑介 氏永沼 伸顕 氏,平井 秀明 氏 (東北大・理・M2)

場所: 数学棟518

修士論文  名前に修士論文のpdfファイルをリンクしてあります. (竹島氏のpdfはファイルサイズ節約の都合で図3.4-3.14を含むページの画質を落としています.ご了承ください.)


日時: 2009年01月15日(木) その2 16:30-17:30

講師: 土田 兼治 氏 (鳥羽商船高専・助教)

場所: 数学棟518

題目: Large deviations for additive functionals associated with diffusion processes with jumps

概要: 本講演では,対称マルコフ過程から生成される加法的汎関数の大偏差原理に ついての結果を述べる.ゲルトナー・エリスの定理を用いて,この大偏差原理を 証明するが,そのための準備として,加法的汎関数から生成されるRevuz測度を ポテンシャルにもつシュレディンガー作用素の調和関数を拡大ディリクレ空間の中で 構成することについても述べる. 本研究はUniversity of WashingtonのZhen-Qing Chen氏との共同研究である.


CRESTセミナー

日時: 2008年12月25日(木) 13:30-16:30

講師: 小谷 眞一 氏 (関西学院大・理工・物理)

場所: 数学棟518

題目: 1次元シュレーディンガー作用素における無反射性に関連する話題

概要: 1次元のランダムシュレーディンガー作用素のスペクトルについて, 講演者の
「絶対連続スペクトル部分(acsp)ではpotential は無反射的である」
という結果が最近,確率論的枠組み無しで拡張された. これは,離散的な場合には,有限個の値しかとらない potentialは スペクトルが絶対連続部分を持てば周期的である,という結果を含んでいる. 前半ではこの定理について概観する.

一方,概周期的なpotentialに対するスペクトルの研究が進展している. 非減少関数のクラス上で構成した KdV力学系は「無反射性」を保存するので, potentialの概周期性証明の道順を系統的に述べることができる. 後半では,概周期potentialのスペクトル順・逆問題と将来の展望について述べる.

備考: 確率論セミナーではなくCRESTセミナーですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.


日時: 2008年12月11日(木) その1 14:00-15:30

講師: 田原 喜宏 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: 一般化されたFeynman-Kac汎函数のスペクトル半径の Lp独立性 について

概要: Gärtner-Ellisの定理を用いた大偏差原理の証明には, 対数モーメント母関数の存在とその微分可能性を確認する必要がある. 特に加法汎函数の場合,Feynman-Kac汎函数のスペクトル下限のLp独立性 を示せば対数モーメント母関数の存在を証明できる. 本講演では,一般の有界変動なFeynman-Kac汎函数に対してLp独立性が 存在する必要十分条件および,それを適用できる幾つかの例について述べる.


日時: 2008年12月11日(木) その2 15:45-17:15

講師: 福泉 麗佳 氏 (東北大・情報)

場所: 数学棟518

題目: Gross-Pitaevskii equation with a stochastic perturbation

概要: Gross-Pitaevskii方程式に,ある確率項による摂動が加わった場合について, 解の存在,解の爆発の可能性,解の挙動について, deterministic theory と比較しながら解説する.


日時: 2008年11月27日(木) その1 14:00-15:30

講師: 金子 宏 氏 (理科大・理)

場所: 数学棟518

題目: p進体における確率論的考察と関連する関数空間

概要:  The talk will be started with a fundamental observation on consecutive non-negative integers. Based on the observation, we will demonstrate that the sequence of non-negative integers is regarded as a uniformly distribued sequence in the ring Zp of the p-adic integers. As a result, for any element f of some function spaces, the sequence provides us with a faster rate of convergence n-1Σ0≦ k≦n-1 f(k) → ∫Zpf(x) dx as n→∞ than the one obtained by replacing {k}k=0,1,2,... with independent uniformly distributed sequence {ξk}k=0,1,2,... on the ring and applying law of the iterated logarithm.

This reseach is undertaken as joint works with T. Fujita and partly with S. Matsumoto.


日時: 2008年11月27日(木) その2 15:45-17:15

講師: 塩沢 裕一 氏 (京大・理・GCOE特定助教)

場所: 数学棟518

題目: ランダム環境中の分枝ブラウン運動の局在化

概要: 本講演では,ポアソンランダム測度を用いて構成されるランダム環境中の 分枝ブラウン運動について,総粒子数の増大度と粒子分布の拡散性との関係を ある同値条件で特徴づける.このことより,環境のランダムさが与える影響が強い 場合,粒子たちは拡散せず小さい集合に集まる(局在化が起こる)ことが分かる.


日時: 2008年11月13日(木) 14:00-

講師: 牛山 辰哉 氏,竹島 佑介 氏 ,永沼 伸顕 氏 (東北大・理・M2)

場所: 数学棟518

備考: 修士論文の内容に関連した論文紹介等 (インフォーマル


日時: 2008年10月23日(木) 15:45-17:15

講師: Gerald Trutnau (University of Bielefeld)

場所: 数学棟518

題目: Recent topics in the theory of generalized Dirichlet forms


日時: 2008年10月09日(木) 15:45-17:15

講師: 竹田 雅好 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: A Large Deviation Principle for Symmetric Markov Processes with Feynman-Kac Functional

概要: Feynman-Kac汎関数付き対称マルコフ過程に対して, Donsker-Varadhan型の大偏差原理を示す. 上からは一様評価を行うことで, Feynman-Kac半群のスペクトル半径がLp-独立であることを示し, 特に1次元拡散過程の場合, 境界が共に Feller の境界分類において natural でなければ, Lp-独立性が成立することを証明する.

日時: 2008年09月19日() 11:00-12:00

講師: Sergio Albeverio 氏 (University of Bonn)

場所: 川井ホール

題目: Asymptotics of infinite dimensional integrals and applications


日時: 2008年07月03日(木) その1 14:00-15:30

講師: 矢野 裕子 氏 (京大・数理研)

場所: 数学棟518

題目: 対称安定過程の処罰問題

概要:  Roynette-Vallois-Yor (以下,RVY) は, 種々のクラスの重み汎関数によるウィーナー測度の処罰問題を研究した. 引き続く研究によって,これらの処罰問題は重み汎関数に依らないある 普遍的シグマ有限測度によって統一的に論じられることが明らかとなった (Najnudel-Roynette-Yor). 本講演ではRVYの結果の一部の対称安定過程への拡張について論ずる. 重み汎関数が局所時間の場合について,詳しく述べる予定である.


日時: 2008年07月03日(木) その2 15:45-17:15

講師: 矢野 孝次 氏 (神戸大・理)

場所: 数学棟518

題目: レヴィ過程のエクスカーションと調和変換について

概要:  一次元対称レヴィ過程の原点におけるエクスカーション測度及び原点死滅過程の 調和変換について調べる.目標は,ガウス部分を持たずかつ原点が正則となるような 仮定の下で,調和変換のフェラー性を示すことである.その系として, エクスカーション測度の端点性,及び振動しながら流入する性質について調べる.


談話会

日時: 2008年06月09日() 16:00-17:00

講師: 松本 裕行 氏 (名大・情報)

場所: 川井ホール

題目:  Asymptotic behaviour of Brownian motions on the hyperbolic spaces

概要: リーマン多様体上のラプラシアンを生成作用素にもつ拡散過程を ブラウン運動と呼ぶ.多くの場合確率微分方程式を用いて構成することができるが, 双曲空間の場合はウィナー汎関数として具体的に表現することができる. この表現に基づくと,実および複素双曲空間上のブラウン運動の長時間漸近挙動が 見通しよく理解され,ポアソン核の計算へ応用できることについて述べたい.

備考: 確率論セミナーではなく談話会ですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.
談話会プレゼン  (約70KB 14 pages pdf file)  松本先生からいただいたプロジェクター用ファイルです.

この週,10日(火) - 13日(金) 1次元拡散過程に関する 松本氏の集中講義  「1次元拡散過程と一般化逆ガウス分布」 があります.

講義のページに戻る


日時: 2008年05月15日(木) その1 14:00-15:30

講師: 松田 安昌 氏 (東北大・経済)

場所: 数学棟518

題目: Fourier analysis of irregularly spaced data on Rd

概要: 1970年代にはじまった時系列解析の研究は,1変量時系列からはじまり, 多変量時系列,空間系列,時空間系列へと対象が拡張されてきている.近年の 空間系列,時空間系列の文献を調べてみれば,時系列と同じく等間隔に観測された データ(regularly spaced data) を前提としている場合が多い.しかし時系列とは 異なり,空間系列ではランダムに散らばった地点で観測されたデータ (irregularly spaced data) を仮定する方が,応用範囲がひろい.そこで本発表では,irregularly spaced dataによる空間相関の推定問題を扱う.具体的にはデータを周波数領域に 変換してスペクトルを推定する方法を提案し,推定量が一致性,漸近正規性を持つ ための条件を示す.本方法による東京地価データ分析例も紹介する.本研究は, 矢島美寛教授(東京大学大学院経済学研究科)との共同研究である.


日時: 2008年05月15日(木) その2 15:45-17:15

講師: 深澤 正彰 氏 (大阪大・金融・保険教育研究センター)

場所: 数学棟518

題目: エルゴード的拡散過程に対するエッジワース展開

概要: エッジワース展開とは中心極限定理の精密化であり, 数理統計学の高次漸近理論において中心的な役割を果たしてきた. その統計学的応用を概説した後,エルゴード性の仮定の下, 一次元拡散過程の加法的汎関数に対するエッジワース展開を紹介する. その展開係数は尺度関数と標準測度によって表現され, 正規近似の誤差に対する,拡散過程の初期分布の寄与が陽に与えられる. より広いクラスの強マルコフ過程への結果の拡張についても議論する.


日時: 2008年04月17日(木) 15:45-17:15

講師: 田原 喜宏 氏 (東北大・理・D4)

場所: 数学棟518

題目: 非局所的ポテンシャルを持つシュレディンガー型作用素のスペクトル下限のLp独立性

概要: 本講演では, 局所コンパクト距離空間上の非局所型のポテンシャルを持つよう なシュレディンガー型作用素のスペクトル下限のLp独立性の必要十分条件 について述べる.とくに興味深い例として,双曲空間上の安定過程の構成及び, それに対するLp独立性の回復についての言及も行う.


2007年度 確率論セミナー 4年目,激動の年

日時: 2008年01月17日(木) 14:00-

講師: 小山田 亮太 氏,甲斐 崇 氏 (東北大・理・M2)

場所: 数学棟518

備考: 修士論文の内容についての発表

修士論文  名前に修士論文のpdfファイルをリンクしてあります.


談話会

日時: 2008年01月07日() 16:00-17:00

講師: 白井 朋之 氏 (九州大学・数理)

場所: 川井ホール

題目: 行列式型確率とその周辺

備考: 確率論セミナーではなく談話会ですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.

この週,08日(火) - 11日(金) 白井氏の集中講義  「マルコフ連鎖の混合時間」 があります.


確率論シンポジウム(大シンポ)は12月11日(火)から14日(金)まで熊本大学で.


臨時東北確率論セミナー

日時: 2007年12月08日(土) 10:15-18:00

場所: 数学棟2階208講義室

プログラム(時間は全て目安です):

10:15-11:45 長澤 啓明 (東工大理工)
A limit theorem for an asymmetric random walk with random speed change
13:00-14:30 福島 竜輝 (京大理)
Frenkel欠陥を持つ結晶中でのBrown運動の生存確率
14:45-16:15 谷田 篤史 (京大理)
Differentiability of spectral functions for non-symmetric diffusion processes
16:30-18:00 塩沢 裕一 (立命館大理工)
Central limit theorem for branching Brownian motions in random environment

備考: 本臨時セミナーは科学研究費補助金基盤研究(B) 「ディリクレ形式と対称マルコフ過程の確率解析」(研究代表者: 竹田雅好) の補助の下で行われます.


日時: 2007年12月06日(木) 14:00- 各1時間程度(予定)

講師: 小山田 亮太 氏,甲斐 崇 氏 (東北大・理・M2)

場所: 数学棟518

備考: 修士論文の内容に関連した論文紹介等 (インフォーマル


11月下旬はセミナー連絡役が自分の研究の宣伝に出かけるので セミナーを企画できず,申し訳ありません. 11月前半に詰め込んだセミナー内容を消化する時間にあててくださればさいわいです.


日時: 2007年11月15日(木) その1 14:00-15:30

講師: 竹田 雅好 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: 対称安定過程のジャンプ型加法汎関数に対する大偏差原理

概要: X=(Px , Xt) を d-次元ユークリッド空間 Rd 上の 対称安定過程とし, F(x,y) をあるクラスに属する Rd× Rd\△ (△は対角成分)上の非負値関数とする. そのとき,ジャンプ型加法関数 At(F)=Σ0< s≦tF(Xs-,Xs) の大偏差原理を Gärtner-Ellis の定理を用いて証明する. そのために,非局所 Feynman-Kac 半群のスペクトル下限が Lp-独立であること, スペクトル関数の微分可能であることを示す.


日時: 2007年11月15日(木) その2 15:45-17:15

講師: 渡部 俊朗 氏 (会津大・総合数理)

場所: 数学棟518

題目: 無限分解可能分布の尾部の漸近挙動

概要: 1次元無限分解可能分布とそのLevy測度の尾部は必ずしも同じ漸近挙動を 持たない.片側で正則変動する場合は古くから同じ漸近挙動をもつことが知ら れていた.その後,劣指数性(subexponentiality)や畳込同値性 (convolution equivalence)等の概念が導入され,90年代に完成された はずであったが,2000年以降,いくつかの論文に不備が発見され, 2007年(講演者)になってようやく完成した. この講演では歴史的な経緯や多次元の場合もも含めて無限分解可能分布の尾部 について報告する.


日時: 2007年11月08日(木)その1 14:00-15:30

講師: 杉田 洋 氏 (大阪大・理)

場所: 数学棟518

題目: 動的ランダム・ワイル・サンプリングについて

概要: モンテカルロ積分のための安全な疑似乱数生成器の実用的な例として ランダム・ワイル・サンプリング(RWS)がある. しかしRWSでは,対象となる 確率変数が予め決まったビット数で生成される確率変数でなければなら ないため,応用は限られてしまう.そこで,一般の"模倣可能な"確率変数 のモンテカルロ積分に適した動的ランダム・ワイル・サンプリング(DRWS) が開発された.講演ではDRWSの実施例とともに,サンプル平均の収束の 速さに関するある予想について述べる.


日時: 2007年11月08日(木)その2 15:45-17:15

講師: 服部 哲弥 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目:  Stochastic ranking processes and their application to online rankings

概要:  Amazon.co.jp などのオンライン小売り業のランキングの時間発展を記述する 多粒子系の確率モデルを提案し,その無限粒子極限が存在すること,つまり, 流体力学極限のように経験分布が分布値確率過程として決定論的な分布の時間発展 に弱収束すること,を証明する. この定理に基づく理論的予想が現実のwebのデータと良く合うことを実証し, 結果として得られる社会学的なパラメータ(パレート分布の指数)の実測値が, これまで計量経済学的に分析されてきたよりも オンラインの小売業のインパクトが小さいことを意味する, ということにも言及する.

文献はこちら(英語のページ)


日時: 2007年11月01日(木) その1 14:00-15:30

講師: 竹島 正樹 氏 (佛教大学教育・通信教育・3年)

場所: 数学棟518

題目: 木グラフ上の Once Reinforced Random Walks について  [竹居正登氏(大阪電通大・工)との共同研究]

概要: 指数的重みをもつ樹木上の once reinforced random walk の再帰性に 関して未解決であった問題を,最近解決した.本発表ではその結果と 未解決だった部分の解析に用いたアイデアを紹介する.また, 木グラフ上の reinforced random walk (RRW) の再帰性の研究に 有用な補題についても触れたい.


日時: 2007年11月01日(木)その2 15:45-17:15

講師: 鈴木 将史 氏 (創価大学・教育)

場所: 数学棟518

題目: カンボジアにおける確率教育支援の試み

概要: 1970年代におけるポルポト政権下の大虐殺とその後長く続いた内戦の影響に より,カンボジアには数学を正しく理解し,指導できる人材がほぼ皆無となった。 現在同国は平和を取り戻し,近年では経済発展も著しいが,特異な歴史をもつ国の 数学教育に見られる様々な問題について,8年間にわたる支援活動の経験をもとに 紹介するとともに,確率論を教育する視点について考察する。


10月はセミナー連絡役に留学生用の講義が入ったため セミナーを企画できず,申し訳ありません. その分を11月前半に集中的に取り戻します.


日本数学会2007年度秋季総合分科会は9月21日(金)から24日(月)まで, 東北大学川内キャンパスで開かれました. 舟木直久氏(東京大学・数理)が日本数学会賞秋季賞を受賞されました.


2007年確率論サマースクールは8月7日(火)から10(金)まで, 信州大学理学部(長野県松本市)で開かれました


確率論ヤングサマーセミナーは7月30日(月)から3日(木)までの4泊5日, 山梨県石和・春日居温泉郷春日居びゅーほてるで開かれました.


日時: 2007年07月19日(木)その1 14:00-15:30

講師: 桑江 一洋 氏 (熊本大・教育)

場所: 数学棟518

題目: On the strong Feller property of Feynman-Kac semigroup for CAF of zero energy under heat kernel estimates

概要: エネルギー 0 の連続加法汎関数によるファインマン・カッツ半群は, ブラウン運動の場合にそのgaugeabilityも含めたGlover-Rao-Song (1993a,b)の 研究に始まり, Chen-Zhang (2002), Fitzsimmons-K (2004), Chen-Fitzsimmons-K-Zhang (2007)等で 一般的に論じられてきた.しかしながら,その強フェラー性はブラウン運動のとき はTakeda-Zhang (1997),対称レヴィ過程のときはZhang (2001)においてしか まだ示されていない.強フェラー性は大偏差原理を導出する上で重要な性質であり, これら以外の場合にも明示することは意味があると思われる. 講演ではAhlfors正則性と除外集合を許容した熱核の上下評価の下で, 加藤クラスのエネルギー測度をもつディリクレ形式の元によるGirsanov変換された マルコフ過程の連続な熱核の存在を Moser method で示し, さらに距離球の体積増大度と熱核の上からの評価による大域的な条件のもとで 強フェラー性を導出する.


日時: 2007年07月19日(木)その2 15:45-17:15

講師: 松本 裕行 氏 (名大・情報文化)

場所: 数学棟518

題目: 双曲空間上のブラウン運動

概要:  双曲空間上のブラウン運動を与える確率微分方程式の解は, ウィナー汎関数として具体的な表示をもつ.このことを 利用して,双曲空間上のラプラシアンに対する熱核の表示 を与え,またブラウン運動の漸近挙動を調べることができる. この講演では,これらの知られた事実と,2 次元の場合の 水平持ち上げの表現とその応用などについて述べたい.


日時: 2007年07月05日(木) 15:45-17:15

講師: 高橋 陽一郎 氏 (京大・数理研)

場所: 数学棟518

内容: 「プレランダム系」という研究の方向の可能性についての話.

概要: 拡散過程のmost probable pathの理論について説明した後, それを念頭に,自由度がO(102)-O(103)のような, 大数の法則(平均値)の概念は良いが,中心極限定理(揺らぎ)の概念は悪い 状況で「『準古典極限』に対応する理論はあるか」という問題を提案する.
(服部による個人的要約です. セミナーの内容は高橋先生によるものですが,要約の誤りは服部の責任です.)


日時: 2007年06月28日(木)その1 14:00-15:30

講師: 針谷 祐 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: 無限次元の発散公式について

概要: In this talk, we study an integration by parts formula for a pinned Wiener measure restricted to a set of paths staying within a domain in Rd. The result presented here generalizes the formula in
[L. Zambotti, Integration by parts formulae on convex sets of paths and applications to SPDEs with reflection, Probab. Theory Relat. Fields 123 (2002) 579-600]
for the case of a half-line in R.


日時: 2007年06月28日(木)その2 15:45-17:15

講師: 安田 和弘 氏 (阪大・基礎工・D3)

場所: 数学棟518

題目:  Estimating Multidimensional Density Functions using the Malliavin-Thalmaier Formula and Application to Finance

概要:  The Malliavin-Thalmaier formula was introduced by Malliavin and Thalmaier [2006] for use in Monte-Carlo simulation. This is an integration by parts formula for high dimensional probability density functions. But when this formula is applied directly for computer simulation, we show that it is unstable. We propose an approximation to the Malliavin-Thalmaier formula. In the first part, we prove the central limit theorem to obtain the values of the parameters in Monte-Carlo simulations which achieves a prescribed error level. To prove it, we need the order of the bias and the variance of the approximation error, and we prove the central limit theorem by using these error estimation. And in the latter part, we obtain an explicit Malliavin-Thalmaier formula for the calculation of Greeks in finance. The weights obtained are free from the curse of dimensionality.

レジメ:  講演者が掲載用に送ってくださったレジメ (約150KB pdf file)です.10ページ,図表5件入りのていねいな内容です. 右クリックなどで保存して利用できます.


日時: 2007年05月24日(木) 15:30-17:00

講師: 田原 喜宏 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: Lp-independence of spectral bounds of non-local Feynmann-Kac semigroups

概要:  局所型ファインマン−カッツ半群のスペクトル半径のLp独立性に関して は,SimonやSturmなどを始めとして多くの研究がなされている. しかしながら,非局所型ファインマン−カッツ半群の場合, 熱核の評価などの問題もあり,いまだ多くの問題が残されている. 今回の講演ではドンスカー−ヴァラダーン型の大偏差原理を用いて証明した, 対称α安定過程に対する非局所型ファインマン−カッツ半群のスペクトル半径 のLp独立性について述べる.
・  プレプリント(pdf)


2006年度 確率論セミナー 驚くなかれ,3年目も続きました

日時: 2007年01月25日(木) 14:00-15:30

講師:  塩沢 裕一 氏 (東北大・理・D5)

場所: 数学棟518

題目: Limit theorems for branching Markov processes
(Zhen-Qing Chen 氏 (University of Washington) との共同研究)

概要: 本講演では,あるシュレディンガー作用素が スペクトルギャップをもつという仮定の下で, 分枝マルコフ過程に対して極限定理を示す. この定理より,有界集合上の粒子数の指数増大度は シュレディンガー作用素の最小固有値によって定まり, 粒子の漸近分布は固有関数によって定まることが分かる. さらに,分枝ブラウン運動および分枝対称安定過程の場合に適用し, 長時間漸近挙動について具体的に調べる.

博士論文  名前に学位論文のpdfファイルをリンクしてあります.

        土田 兼治 氏の学位論文のpdfファイルはこちら


日時: 2007年01月18日(木) 14:00-

講師: 佐々木 拓郎 氏沼澤 洋平 氏 (東北大・理・M2)

場所: 数学棟518

備考: 修士論文の内容についての発表

修士論文  名前に修士論文のpdfファイルをリンクしてあります.


12月19日(火) - 22日(金) 確率論シンポジウム(大シンポ)(九州大学


日時: 2006年11月30日(木) その2 16:00-17:30

講師: 三上 敏夫 氏(北大・理)

場所: 数学棟518

題目: Stochastic control with fixed marginal distributions

概要: 周辺分布に関する情報が与えられた場合の確率最適制御問題を考えたい. この問題は,確率最適制御理論では,あまり研究されてこなかったが, あえて挙げれば,ネルソンの確率量子化の研究に,その萌芽がみられる. また,近年,最適輸送問題との関係も明らかになってきている. この講演では,具体的な問題を通して,どのような事が知りたいか等の問題提起も したいと考えている.


日時: 2006年11月30日(木) その1 14:00-15:30

講師: 保阪 賢資 氏(神戸大・理・学術研究員)

場所: 数学棟518

題目: Stochastic Inequalityの十分条件について

概要:  厳密統計力学では,FKG 不等式が成り立つ為の十分条件である (FKG) lattice condition と呼ばれる条件が知られている. Holleyは,このlattice conditionが2つの異なる確率測度がstochastic inequality を満たす為の十分条件であることを示した. Grimmettは, 「The Random-Cluster Model」の中で,lattice conditionは,ある2つの hamming distanceが2以下の配置に関する確率測度の関係から確かめられると 主張した.しかし,その主張は正しくない. 今回の講演では,まずGrimmettの主張に対する反例を与え, しかし彼の主張は少し弱くすれば成り立つことを紹介し, lattice conditionとstochastic inequality と FKG lattice conditionの関係性 について考察し,最後に他のstochastic inequalityの十分条件に関してお話したい.

備考:  「The Random-Cluster Model」の修正(Grimmettのweb) (保阪氏の指摘がacknowledgeされています.)


日時: 2006年11月9日(木) その2 16:00-17:30

講師: 桑田 和正 氏(お茶大・理)

場所: 数学棟518

題目: Intrinsic coupling under lower Ricci curvature bounds

概要: Ricci曲率が下に有界なRiemann多様体上, Kendall, CranstonらがSDEを用いて構成したBrown運動のカップリングを 離散近似ランダムウォークのカップリングの極限として構成できることを示す. 更に,空間に特異な点を含むRiemann多面体での カップリングの構成について,進行状況を報告する.


日時: 2006年11月9日(木) その1 14:00-15:30

講師: 土屋 貴裕 氏(立命館大・理工・D1)

場所: 数学棟518

題目: 多次元α対称安定過程に導かれる非リプシッツ係数の確率微分方程式に 関する確率的流れ

概要: ブラウン運動による確率的流れは80年代初期から盛んに調べられた. さらに一般のLévy過程における確率的流れも研究されているが, それは係数が十分に滑らかであることを仮定している.
 そこで係数が非リプシッツの下で多次元α対称安定過程に導かれるSDEから 確率的流れが構築できるかに焦点を絞り,その結果を紹介する.

プレゼンテーションの参考文献: プレゼンテーション全体のpdfをいただきましたが,500KB以上と大きめなのと, PROSPER向きに作られたpdfのためそのまま読むとやや読みづらいので, アプロードを諦めました.申し訳ありません. 参考文献の部分(を読める向きに回転したもの!)のみ置いておきます.
・ 参考文献(約70KB 3 pages pdf file)


日時: 2006年10月26日(木) その2 16:00-17:30

講師: 針谷 祐 氏 (10月から 東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: Construction of Gibbs measures for 1-dimensional continuum fields

概要: Brown運動の局所的な相互作用による摂動として経路空間上にGibbs測度の 概念を定式化することができる.そのような測度は1次元格子上の長距離相互作用を 持つ勾配界面モデルの連続化とみなすことが出来るとともに,特別なクラスの 相互作用の場合においては場の量子論に現れるある作用素のスペクトル構造を調べる 上で重要な役割を果たす.この講演ではこのような経路空間上のGibbs測度の構成に ついて,(有限次元の)部分積分公式に基づいた簡単な方法を紹介したい. また,時間が許せば関連する話題についても触れる予定である.


日時: 2006年10月26日(木) その1 14:00-15:30

講師: 船野 敬 氏 (東北大・理・D1)

場所: 数学棟518

題目:  Observable concentration of mm-spaces with graphs as screens

概要: 任意の実数値 1-Lipschitz関数が定数関数に近付く現象を測度の集中現象 と呼ぶ. 今回の講演では, treeに値をとる 1-Lipschitz関数について測度の集中 現象を考察する. 測度論のみを予備知識として聴衆にわかるように話すことを心 がけたい.


日時: 2006年10月19日(木) その3 16:00-17:00

講師: 竹田 雅好 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: 対称安定過程の加法的汎関数に対する大偏差原理

概要: 対称安定過程の加法的汎関数に対する大偏差原理を,Gärtner-Ellis の 定理を用いることで証明する.そのためには,i) 対数モーメント母関数の存在 ii) その微分可能性, が問題になる.本講演では,Green-tightな測度に Revuz 対応する加法的汎関数に対しては, この2つがチェック可能であることを述べる.


日時: 2006年10月19日(木) その2 14:45-15:45

講師: 服部 哲弥 氏 (東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: Gasket上のself-avoiding pathのくりこみ群の一般化として得られる ある2次元写像の固定点の唯一性

概要:  12個の動かせる係数を持つ2変数非負係数多項式
W(x,y) = a x3 + b x4 + f5 x5 + f6 x6 + 9 a2 x4 y + g5 x5 y + h3 x3 y2 + h4 x4 y2 + n3 x3 y3 + a24 x2 y4 + a05 y5 + a15 x y5 + a06 y6
について, grad W=(X,Y) とおくとき, a>0 および X2(x,x2)-Y(x,x2) が 非負係数多項式になっているとする.このとき grad W の不変集合  {(x,y)∈R+2|x2≧ y}\{0}  に固定点がただ一つあることを証明する. 以上の条件は,3および4次元gasket上のrestricted self-avoiding pathsのくりこみ群 に由来する問題のある一般化として得られた.非負性というもっとも基礎的な 不等式が,不等式で定義される不変集合の固定点の唯一存在を意味しうる,という 予想に向けての極めてささやかな結果である,ということについても触れたい.
・ 
詳細な内容(web page)へのリンク
・ プレプリント(約150KB pdf file)


日時: 2006年10月19日(木) その1 13:30-14:30

講師: 田原 喜宏 氏 (東北大・理・D2)

場所: 数学棟518

題目: Lévy directed polymers in random environment

概要: Comets, Yoshidaの両氏によって導入されたBrown運動を用いて定義された, ランダム媒質中のディレクティドポリマーの漸近挙動については多くの結果が 得られている.本講演ではBrown運動を一般のLévy過程へ拡張して得られた, 媒質がポリマーに与える影響の強弱を記述するstrong disorder, weak disorder についての結果を紹介する.


日時: 2006年10月12日(木) 14:00- 各1時間程度(予定)

講師: 佐々木 拓郎 氏,沼澤 洋平 氏 (東北大・理・M2)

場所: 数学棟518

備考: 修士論文の内容に関連した論文紹介等 (インフォーマル


09月19日(火) - 22日(金) 日本数学会(大阪市大


09月11日(月) - 15日(金) Stochastic Analysis and Applications(京都大学
学術振興会支援日独共同研究 ならびに 伊藤清先生の Gauss賞受賞記念行事


09月04日(月) - 08日(金) 国際研究集会 Mathematics on Fractals 2006(京都大学)


確率論サマースクールは8月7日(月)から10(木)まで, 於信州大学理学部(長野県松本市)とのことです.


確率論ヤングサマーセミナーは8月2日(水)から6日(日)までの4泊5日, 岐阜県大野郡のシャレー中西だそうです.


07月06日(木) 16:00-17:30 総合棟801, 応用数学セミナーでD2田原君の修士時代のお師匠 西尾 昌治 氏(阪市大・理)の講演
Toeplitz operator on parabolic Bergman spaces
があります.


日時: 2006年06月29日(木) その2 15:45-17:15

講師: 岡部 靖憲 氏(東京大学名誉教授)

場所: 数学棟518

題目: 実験数学:時系列のリスク解析


日時: 2006年06月29日(木) その1 14:00-15:30

講師: 永幡 幸生 氏 (大阪大学・基礎工)

場所: 数学棟518

題目: 格子気体における Einstein Relation について

概要: 多体系における tagged particle のブラウン運動の拡散係数と輸送係数の 間に比例関係があるというのが Einstein Relation であり,この関係が格子気体で 成立するかを見たいが,これを直接調べるのは容易ではない. 一方 Spohn 氏が(流体力学極限で現れる)拡散係数と輸送係数にも同様に比例関係が あると述べている.これも実際に調べるのは容易ではないが, 部分的には調べることができる. この講演では,
(1) 条件(G.C)の下ではこの関係が成り立つ,
(2) ある特殊なモデルではこの関係が成り立たない,
ことを示す.


日時: 2006年06月28日(水) 午後または夕刻

講師: 永幡 幸生 氏 (大阪大学・基礎工)

場所: 数学棟202

内容: 格子気体の流体力学極限における拡散係数の滑らかさについて  (informal talk)

備考: 流体力学極限に関心ある院生諸君のために, 木曜日のセミナー以外にインフォーマルな講演をしてくださいます. 服部と竹田の都合もあって開催時刻が当日にならないと決まらないかもしれません が,インフォーマルということで,院生諸君の興味や質問や議論を歓迎します.


談話会

日時: 2006年05月29日() 16:00-17:00

講師: 楠岡 成雄 氏 (東京大学・数理)

場所: 川井ホール

題目: ファイナンスと数値解析

備考: 確率論セミナーではなく談話会ですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.

この週,30日(火) - 6月 2日(金) 楠岡氏の集中講義  「リスク尺度入門」 があります.

セミナーノート:
服部がとったノートを楠岡先生の許可を得て貼ります. 楠岡先生の著作(講演・講義)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です.
・ 談話会講演ノート (約60KB 3pages pdf file)
・ 講義ノート (約160KB 15 pages pdf file)
右クリックなどで保存して利用できます.


解析月曜セミナー

日時: 2006年05月15日() 14:00-15:30

講師: 福島 正俊 氏

場所: 数学棟202

題目: On Feller's boundary problem and darning holes for Markov processes

備考: 確率論セミナーではなく解析月曜セミナーですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.


日時: 2006年05月11日(木)その2 15:45-17:15

講師: 正宗 淳 氏 (中央大学・理工・兼任講師)

場所: 数学棟518

題目: On Stokes formula for a non-compact manifold

概要:  今から約50年前,M.P.ギャフニーは「測地的完備多様体では,あるストークス型 定理が成立する」を示し,非コンパクト多様体の大域解析に大きく貢献した. 今回の講演では,確率的完備多様体,及び,放物多様体を特徴づけるストークス型 定理を紹介する.(A.グリゴリアンとの共同研究結果)


日時: 2006年05月11日(木)その1 14:00-15:30

講師: 河備 浩司 氏 (九大・数理・COE研究員)

場所: 数学棟518

題目: 距離空間上のLittlewood-Paley-Stein不等式とRiesz変換 (御代川知宏氏との共同研究)

概要:  Littlewood-Paley-Stein不等式とはPoisson核を用いたLp-ノルムの 特徴付けであり,Sobolev空間の理論だけではなく,調和解析において 重要なHardy空間の理論においても重要な役割を果たすことがE.M.Steinの仕事を 先駆けとして知られている.その後,この不等式の一般化においては, 確率論的なアプローチも用いられ,重川−吉田の研究などにより, 一般的な距離空間上の設定でBakry-EmeryのΓ2の下からの有界性が, この不等式が成立する十分条件であることが示されている. しかしながら様々な具体例を扱う際,この条件を確認するのは非常に困難である. 本講演では,上記より弱い「拡散半群の微分評価の成立」という条件下 でこの不等式が成立する事とRiesz変換の有界性についてコメントしたい.


日時: 2006年04月20日(木)その2 16:00-17:30

講師: 土田 兼治 氏 (東北大・理・D4)

場所: 数学棟518

題目: Large deviation principle for additive functionals and differentiability of spectral functions for relativistic α-stable processes

概要: 対称安定過程に対するスペクトル関数の微分可能性は示すことが できましたが,今回は相対論的安定過程と呼ばれる対称マルコフ過程に対する スペクトル関数の微分可能性について述べます. また,それに対応する加法的汎関数の大偏差原理についても言及します.


日時: 2006年04月20日(木)その1 14:00-15:30

講師: 塩沢 裕一 氏 (東北大・理・D4)

場所: 数学棟518

題目: Exponential growth of the number of particles for branching symmetric α-stable processes

概要: 分枝対称安定過程において消滅が起こらないとき, 粒子の総数は時刻無限大で発散することが分かっている. 本講演では,粒子の総数の時刻に関する指数増大度について調べる.


2005年度 確率論セミナー2年目も続きました

日時: 2006年02月16日(木) 15:45-17:15

講師: 谷田 篤史 氏(京都大学大学院理学研究科 M2)

場所: 数学棟 518

題目: シュレディンガー作用素のサポートコンパクトなポテンシャルによる 摂動について


日時: 2006年01月19日(木) 14:00-未定 (2時間+α)

講師: 斉藤 文則 氏,  三浦 充晴 氏,  渡部 金一郎 氏

場所: 数学棟518

題目: (未定)

備考: 修士論文の内容についての各自40分弱での発表

修士論文  名前に各氏の修士論文のpdfファイルをリンクしてあります.


セミナー連絡役服部は 語ろう数理解析in金沢 (2006年01月14日(土) 金沢大学 長澤 壯之 氏(埼玉大)) に参加してきます.


日時: 2006年01月12日(木) 15:45-17:15

講師: 道工 勇 氏(埼玉大・教育)

場所: 数学棟518

題目: ある分枝ランダム系に関する収束問題

概要: 相互作用する分枝ランダム系から各種設定の下で様々な測度値 確率過程が得られる.その中で従属空間運動を伴う超過程SDSMを取り上げて, 適当なスケール変換の下での収束問題を考察するとき, 従来のタイプと異なる極限定理が得られる場合がある. 特にコアレシングな空間運動を伴う超過程への収束が興味深い. このことについて紹介する.


2005年12月19日(月) - 22日(木)   「大シンポ」【研究集会「確率過程とその周辺」】京都大学


2005年11月28日(月)-12月02日(金) セミナー連絡役服部は 集中講義のため九州大学に出張してきます.


日時: 2005年11月10日(木) 15:45-17:15

講師: 保阪 賢資 氏(神戸大・理)

場所: 数学棟518

題目: Hierarchical Modelとくりこみ群解析

概要: くりこみ群解析は臨界現象を解析するために有効な手段であるが, 一般的にくりこみ変換を施した後のハミルトニアンは複雑な形になり解析が難しい. しかし,hierarchical modelでは,くりこみ変換を施した後のハミルトニアンが 例外的に綺麗な形となり,他の模型と比べて解析がしやすい. 本講演では,hierarchical modelについて紹介し, その模型でのくりこみ群解析について解説する.

セミナーノート:
服部がとったノートを保阪君の許可を得て貼ります. 保阪君の著作(講演)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です. 講演ノートpdf fileです (約50KB 2pages pdf file). 右クリックなどで保存して利用できます.

備考:この週一週間保阪君は東北大(物理C棟301)に滞在の予定です.


日時: 2005年10月27日(木) 16:00-17:30

講師: 舟木 直久 氏(東大・数理)

場所: 合同棟801

題目: 粒子系に対する流体力学極限

概要: 流体力学極限とは,大きな自由度をもつ相互作用系から 時空のスケール変換を経て非線形偏微分方程式へと導く極限操作 の一種である.背後には局所平衡状態あるいは局所エルゴード定理 とよばれるものがあり,その数学的裏付けはエントロピーおよび その時間微分であるエントロピー生成 (= Dirichlet 形式) を 用いて与えられる.初学者にも理解できるようにとの主催者から の要請であり,できるだけそれに応えられるよう努めたいと考えている.

備考: 応用数学セミナーとの合同

セミナーノート:
服部がとったノートを舟木先生の許可を得て貼ります. 若い学生さんを意識して基礎から説き起こしてやりたいことが分かるように 説明してくださったセミナーでした. 舟木先生の著作(講演)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です. 講演ノートpdf fileです (約60KB 4pages pdf file). 右クリックなどで保存して利用できます.


日時: 2005年10月27日(木) 14:00-15:30

講師: 河備 浩司 氏(阪大・基礎工)

場所: 数学棟518

題目: Essential self-adjointness of Dirichlet operators on a path space with Gibbs measures via an SPDE approach

概要: 無限次元空間上の2階微分作用素であるDirichlet作用素が 本質的自己共役であるか否か?という問題は, (確率)解析学的視点と物理的視点の両方から見て非常に 重要な問題であり,今までも竹田,Albeverio,Röckner,重川 を始めとする多くの研究者により論じられてきた. 本講演では,(無限体積)経路空間上のGibbs測度に関する Dirichlet作用素の本質的自己共役性について論じる. それと共に,証明でkeyとなるDa Prato-Röcknerによる SPDEを用いた新しいアプローチを紹介する.

プレゼンテーション: 講演に使われた講演者作成のpdfファイルをいただきましたので, 講演者の許可を得てpdf file (約270KB pdf file)を貼ります. 右クリックなどで保存して利用できます.


解析月曜セミナー

日時: 2005年10月17日(月) 14:00-15:30

講師: 原 隆 氏(九大・数理)

場所: 数学棟202

題目: 確率論的統計力学モデルの臨界現象とlace expansion (survey)

概要:表題に言う確率論的統計力学モデルとは,Self-avoiding walk, percolation, lattice trees/animals などの,統計力学に起源を持つ 確率論のモデルをさす.これらのモデルはとても面白い「臨界現象」を 示す点で,非常に興味深い.本講演ではこれらのモデルの示す「臨界現象」 について研究の現状を紹介するとともに,その解析に非常に有効で ある lace expansion の手法について解説する.

レジメ: 講演者が用意してくださって講演の際に配布されたレジメの pdfファイル (約200KB pdf file)を講演者の許可を得て貼ります. 右クリックなどで保存して利用できます.

備考: 確率論セミナーではなく解析月曜セミナーですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.


日時: 2005年10月06日(木) 15:45-17:15

講師: 乙部 厳己 氏(信大・理)

場所: 数学棟518

題目: 上下に反射壁を持つ確率偏微分方程式とそれに関連した話題

概要:  巨視的現象と微視的現象の中間域では両者の特徴を併せもつ, 数学的にも大変興味深い現象が見られる.ここではその種の現象を 記述する方程式のひとつとして時空間白色雑音を伴う放物型の 偏微分方程式を考える.近年は特異な外力を受ける現象の解明が 進められているが,ここでも偏微分方程式の解が上下から外的要因に よって制限される場合について考えたい.特に解の存在・一意性だけ ではなく,平衡分布および対応するDirichlet形式についても述べ, 今後の課題についても述べたい.

プレゼンテーション: 講演に使われた講演者作成のdviファイル(をpdfに直してくださったもの)を いただきましたので,講演者の許可を得て pdf file (約240KB pdf file)を貼ります. 右クリックなどで保存して利用できます.


日時: 2005年10月06日(木) 14:00-15:30

講師: G. Trutnau 氏 (Univ. Bielefeld)

場所: 数学棟518

題目: Time inhomogeneous diffusions and reflection w.r.t. moving domains


日時: 2005年09月15日(木) 15:45-17:15

講師: Martin Barlow 英国王立協会会員 (University of British Columbia, Vancouver)

場所: 数学棟518

題目: Jump processes of mixed order

概要: Consider the symmetric pure jump Markov process on Rd associated with the Dirichlet form
ε(f,f) = ∬ (f(x)-f(y))2 n(x,y) dxdy,
where n is zero if |x-y|>1 and satisfies c1 |x-y|-d-α ≦ n(x,y) ≦ c1 |x-y|-d-β. We discuss existence of this process, and prove Harnack inequalities on balls of size O(1). However, processes of this kind do not necessarily satisfy a scale invariant Harnack inequality, and we show that bounded harmonic functions need not be continuous.
(By Martin T. Barlow, R.F. Bass, Z.Q. Chen, M. Kassmann.)

セミナーノート:
服部がとったノートをBarlow先生の許可を得て貼ります. Barlow先生の著作(講演)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です.
講演ノートpdf file(英語版)    (日本語訳版)     (いずれも約70KB 4pages pdf file, update2005/09/18)
右クリックなどで保存して利用できます.


日時: 2005年08月23日(火) 10:30-

場所: 数学棟518

プログラム:

10:30 - 11:30 R. Schilling (Marburg)
On the Feller property of a class of Dirichlet forms (joint work with T. Uemura)
13:00 - 14:00 B. Boettcher (Marburg)
Levy-type Processes and Random Walks
14:30 - 15:30 M. Hino (Kyoto)
Singularity of energy measures on p.c.f. self-similar sets (joint work with K. Nakahara)
16:00 -
(Short communications)
M. Fukushima
Censored asymmetric stable processes
K. Kuwae (Kumamoto)
Invariant sets and ergodic decomposition of local semi-Dirichlet forms

備考: 問い合わせは竹田雅好まで


日時: 2005年07月14日(木) 15:45-17:15

講師: 三上 敏夫 氏(北大・理)

場所: 数学棟518

題目: 確率最小作用の原理による確率過程


日時: 2005年07月07日(木) 15:45-17:15

講師: 鈴木 由紀 氏(慶応大・医)

場所: 数学棟518

題目: 片側Brownポテンシャルをもつ拡散過程

概要:  1次元ランダム媒質の中の拡散過程の問題を扱う. 数直線の負の部分にのみBrown運動の媒質をとり, 正の部分には何も媒質はない場合を考え, このようなランダム媒質の中を動く拡散過程の長時間後の漸近挙動について報告する.

セミナーノート:
鈴木先生のOHPのコピーに基づいて服部が電子化したノートを 貼ります. 鈴木先生の著作(講演・OHP)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です. 講演ノートpdf fileです (約100KB 7pages pdf file, update2005/07/20). 右クリックなどで保存して利用できます.


2005年06月20日(月) - 24日(金)  International Conference on Probability and Number Theory 2005 (P&NT 05) (金沢読売会館

備考: 確率論セミナーではありませんが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますので 研究会公式ページ にリンクを張っておきます.


日時: 2005年06月09日(木) 13:15-14:45 開始時刻にご注意下さい!

講師: 吉田 伸生 氏(京大・理)

場所: 数学棟518

題目: ランダム媒質中のディレクティドポリマーの拡散

概要: 相転移を伴う統計力学の問題では,(i): 相転移が実際に起る パラメーターの値(臨界値)の決定,(ii): 相に典型的な性質を, 臨界値を端点とするパラメーター区間全体で示すこと,が研究上の目標 に含まれる.講演では,ランダム媒質中のディレクティドポリマーで, 媒質からの摂動が弱い相について (i),(ii) に対応する結果を報告する.

セミナーノート:
服部がとったノートを吉田先生の許可を得て貼ります. 吉田先生の著作(講演)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です.
講演ノートpdf fileです (約70KB 3pages pdf file). 右クリックなどで保存して利用できます.


談話会

日時: 2005年 5月30日(月) 16:00-17:00

講師: 高岡 浩一郎 氏(一橋大学・商学)

場所: 川井ホール

題目: 未定(数理ファイナンスまたは関連する話題)

備考: 確率論セミナーではなく談話会ですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.

この週,31日(火) - 6月 3日(金) 高岡氏の集中講義 があります. 数理ファイナンスの入門的な講義を行います.


2005年05月22日(日)-27日(金) セミナー連絡役服部は 集中講義のため神戸大学理学部に出張してきます.


日時: 2005年05月12日(木) 13:30-15:00

講師: 塩沢 裕一 氏(東北大・理・D4)

場所: 数学棟518

題目: Extinction of branching symmetric α-stable processes

概要: 分裂の仕方が空間一様な分枝ブラウン運動に対しては, ディリクレラプラシアンの最小固有値の大きさにより絶滅するか 否かが定まることが,Sevast'yanovや渡辺信三により示されている. 本講演では,分裂の仕方が空間一様とは限らない分枝対称安定過程 に対して,ある時間変更過程の最小固有値の大きさにより絶滅するか 否かが定まることを示す.


解析月曜セミナー

日時: 2005年04月25日(月) 14:00-15:30

講師: 盛田 健彦 氏(広大・理)

場所: 数学棟202

題目: 記号力学系の特異摂動と熱力学形式

備考: 確率論セミナーではなく解析月曜セミナーですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.


日時: 2005年04月21日(木) 13:30-15:00 (2005年度春期第1回

講師: 田原 喜宏 氏(東北大・理・D1)

場所: 数学棟518

題目: 楕円型偏微分作用素とその摂動について

内容: 大阪市大から来仙して竹田研究室に進学して下さったのを機会に, 講演者の修士論文のお話をしていただこうと考えています.


2004年度後期の記録: 確率論セミナー 後期も続きました.

2005年02月15日(火) - 16日(水) 愛媛大学松山解析セミナー があります.服部は招待して頂いたので出張してきます.

これまで時期柄全日参加ができなかったし,この先もめったにできそうにないので, 講演させていただく今回は3泊4日でしっかり参加してきます. 不在が続いて仙台にはご迷惑をおかけしますが,どうかご了承下さい.

ご参考までにプログラムを貼っておきます.
2月15日(火)
9:00〜10:30 Masataka KUWAMURA (Kobe University)
A variational approach to singular perturbation problems in reaction-diffusion systems (joint work with S.-I. Ei and Y. Morita)
10:50〜12:20 Daniele ANDREUCCI (Università di Roma)
Bounds for solutions to parabolic equations with a blow up structure
13:50〜15:20 Masaki OHNUMA (Tokushima University)
Strong comparison principle of viscosity solutions to some nonlinear elliptic equations
15:50〜17:20 Masaru IKEHATA (Gunma University)
The probe method

2月16日(水)
9:00〜10:30 Yuji NOMURA (Tokyo Institute of Technology)
Spectral structure of Laplacian on a covering graph
10:50〜12:20 Kenji NAKANISHI (Nagoya University)
Scattering around non-zero solutions for nonlinear Schrodinger equations
13:50〜15:20 Tetsuya HATTORI (Tohoku University)
Scaling limit of successive approximations for w' = -w2
15:50〜17:20 Toshio MIKAMI (Hokkaido University)
Optimal transportation problem: A Markov control point of view


2005年02月11日(金) 金沢大学で 堤 誉志雄 氏(京大・理)の 語ろう数理解析in金沢があります. だいじなご縁があるので,服部は出張してきます.


談話会

日時: 2004年12月13日(月) 16:00-17:00

講師: 会田 茂樹 氏(阪大・基礎工)

場所: 川井ホール

題目: Semiclassical problem of Schroedinger operators on path spaces over Riemannian manifolds

備考: 確率論セミナーではなく談話会ですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.

この週,14日(火) - 17日(金) 会田氏の集中講義があります.


解析月曜セミナー

日時: 2004年12月13日(月) 14:00-15:30

講師: 熊谷 隆 氏(京大・数研)

場所: 数学棟202

題目: 測度付き距離空間上の放物型ハルナック不等式の安定性について

備考: 確率論セミナーではなく解析月曜セミナーですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.

セミナーノート:
服部がとったノートを熊谷先生の許可を得て貼ります. 熊谷先生の著作(講演)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です. 個人の参考使用(出席頂いた方は,内容を思い出すため,ご都合の付かなかった方は, 雰囲気をうかがい知るため,など)の便宜のため,とご了解下さい.
講演ノートpdf fileです (約90KB 5pages pdf file). 右クリックなどで保存して利用できます.


2004年12月07日(火) - 10日(金)  「大シンポ」【研究集会「確率過程とその周辺」】 (名古屋大学


高エネルギー物理学理論セミナー

日時: 2004年11月25日(木) 15:30-17:00

講師: 服部 哲弥 (東北大・理)

場所: 総合棟1023

題目: 確率連鎖のくりこみ群2題
講演1.重複対数の法則とくりこみ群
講演2.3次元ガスケット上のself-avoiding pathの凝縮転移の存在

内容: 講演のprojector映写用pdfファイル
講演1は,少し前に素粒子論研究室に遊びに行ったときに, 「どうして重複対数が出てくるのか?」と質問されたので, できる範囲で直感的に説明しようという内容.
講演2は,「単に厳密なだけでなく,少し物理っぽい話にも全く無関係とは 言えませんよ」という話です.


「語ろう数理解析」@秋の仙台

日時: 2004年11月20日(土) 11:00-18:00

講演ノート:
服部がとったノートを竹田・盛田両先生の許可を得て貼ります. 竹田・盛田両先生の著作(講演)ですが, ノートの誤りは服部の理解不足や書き損ないによるもので服部の責任です. 実際,不備の指摘を頂いて修正したところもあります.利用上はご注意下さい. そういう次第なので, 個人の参考使用(出席頂いた方は,内容を思い出すため,ご都合の付かなかった方は, 雰囲気をうかがい知るため,など)にとどめ,転載・大量配布・中傷等は どうかご遠慮下さい.
pdf fileです.右クリックなどで保存して利用できます.
講演ノート(竹田)(約150KB 9pages pdf file)    講演ノート(盛田)(約 90KB 6pages pdf file)

プログラム:
11:00-12:30 竹田 雅好 氏【1】(東北大・理)
題目: ランダムな時間変更の第一固有値とファインマン-カッツ汎関数
概要: ランダムな時間変更過程の第一固有値は, 測度 (または対応する加法的汎関数) の大きさを計る基準としての役割を果たす. 実際,ファインマン-カッツ汎関数が可積分であることの必要十分条件, ファインマン-カッツ半群がブラウン運動の半群と同様な超縮小性を持つための 必要十分条件,分枝ブラウン運動において閉集合に到達する分枝数の期待値が 有限になるための必要十分条件などが, 時間変更過程の第一固有値が 1 より大きいことで与えられる.

(12:30-14:00 昼休み)

14:00-15:00 竹田 雅好 氏【2】 (続き)

15:30-18:00 盛田 健彦 氏(広島大・理)
題目: 2次元散乱開撞球系の熱力学形式
概要: 本講演の2次元散乱開撞球は,滑らかな境界をもつ有限個の狭義凸領域から なる障害物の外部領域における測地流である.ただし,障害物は食が起きないように 配置されており,境界条件は完全弾性衝突で与えられているものとする.この力学系 の周期軌道分布に関するゼータ関数の解析的性質や,自然な不変測度に関する確率論的 性質の熱力学形式によるアプローチについて,最近の話題も含め話す予定.

場所:  チサンホテル会議室  (宮城県仙台市青葉区中央4-8-7 JR仙台駅西口徒歩5分 022-262-3211, FAX -3220)

備考: 確率論セミナーではなく「語ろう数理解析」ですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます. 問い合わせは服部で差し支えありません.


日時: 2004年11月18日(木) 13:30-15:00

講師: 長田 博文 氏(九大・数理)

場所: 数学棟518

題目: Sierpinski carpet上の拡散過程

概要: Sierpinski carpetは典型的な無限分岐的フラクタルである. その上には,ブラウン運動と呼ばれる,良い性質(最も多くの不変性) を持つ拡散過程の存在がBarlow-Bassによって示されている. ところが,このブラウン運動の一意性は難しい問題で,未解決のままである. ユークリッド空間のように単純にはいかず手もつかない状況である. 実は,このフラクタルの上には,ブラウン運動とは異なるが, ブラウン運動ほどではないが,いぜん良い性質を持つ拡散過程の存在を 示すことができる.構成はDirichlet形式理論による. この拡散過程の諸性質について講演する.


2004年11月16日(火) 統計数理研究所で 伊藤栄明先生のワークショップ `Probabilistic Analysis of Algorithms' があります. 服部は招待して頂いたので出張してきます.

Tentative program:
Novmber 16
13:25-13:30 Hosam M. Mahmoud, Opening
12:30-14:15 Hsien-Kuei Hwang, Phase changes in random point quadtrees
14:30-15:15 Tetsuya Hattori, Scaling limit of successive approximations for w' = -w2 (and its relation to the problem of rod bisection)
15:45-16:30 Hosam M. Mahmoud, Distribution of Distances in Random Tries
16:45-17:30 Hiroshi Maehara, Enumeration problem related to inversions
Novmber 17
09:30-10:15 Yoshiaki Itoh, Problems of random sequential packing
10:30-11:15 Naoto Miyoshi, On the asymptotics of fault probability in least-recently-used caching with Zipf-type request distribution
11:30-12:15 Tatsuie Tsukiji, Limit laws for terminal nodes in random circuits with restricted fan-out: a family of graphs generalizing binary search trees


日時: 2004年10月28日(木) 13:30-15:00

講師: 高橋 太 氏(東北大・理・COEフェロー)

場所(変更): 合同棟801

題目: 臨界Sobolev指数を含む楕円型方程式の最小エネルギー解の爆発点について

概要: 非線形項がべき型の楕円型方程式の最小エネルギー解を考察します. べきの指数が臨界Sobolev指数のときには,Sobolev 埋め込みのコンパクト性の 欠如のために変分法の直接法によっては最小解を見つけることはできないが, 低階の摂動項を加えることで最小エネルギー解の存在を示せることが, Brezis-Nirenberg達の研究以降よく知られています. 摂動項をゼロに近づけると解はデルタ関数状に爆発し,その爆発点は 領域のGreen関数の正則部分(Robin関数)の臨界点になることも既知です. この講演では,一般に爆発点はRobin関数の最小点になることを示し, 余裕があれば類似の問題における解の爆発点に関するRey, Brezisの予想の証明に ついても述べます.

備考: 応用数学セミナーとの合同


解析月曜セミナー

日時: 2004年10月25日(月) 14:00-15:30

講師: 内山 耕平 氏(東工大・理)

場所: 数学棟202

題目: 周期グラフ上のランダムウオークの Green 関数とその応用

備考: 確率論セミナーではなく解析月曜セミナーですが, 確率論関係者にも興味の高い内容と思いますのでここにも掲げておきます.


日時: 2004年10月21日(木) 13:30-15:00

講師: 塩沢 裕一 氏(東北大・理・D3)

場所: 数学棟518

題目:  Principal eigenvalues for time changed processes of one-dimensional α-stable processes

概要: 対称安定過程は純ジャンプ過程であり,その最小固有値を 求めることは一般には難しい.しかし,適当な正値連続加法的汎関数を 用いたランダムな時間変更過程に対しては,最小固有値を具体的に 求めることができる.セミナーではいくつか例を紹介するとともに, 分枝対称安定過程への応用についても触れる.


日時: 2004年10月14日(木) 13:30-15:00

講師: 土田 兼治 氏(東北大・理・D3)

場所: 数学棟518

題目: Criticality of Schrödinger type operators and differentiability of spectral functions

概要: 加藤クラスと呼ばれる測度のクラスに属し,さらにある条件を加えた測度を ポテンシャルに持つシュレディンガー型作用素を考えます. そのシュレディンガー型作用素の臨界性(グリーン関数は存在しないが, 調和関数は存在する)という性質に注目し, その状態における調和関数の構成法を述べます. またその応用として, ブラウン運動の場合において加法的汎関数の大偏差原理が成立するための 十分条件であるスペクトル関数の微分可能性を示します.


2004年09月19日 - 22日 日本数学会(北海道大学


2004年度前期の記録: 確率論セミナー始めました.

日時: 2004年7月1日(木) 13:30-15:00

講師: 竹田 雅好 氏(東北大・理)

場所: 数学棟518

題目: ランダム時間変更過程の最小固有値について

概要: あるクラスの測度と正の連続な加法的汎関数 (PCAF) との間には,Revuz 対応 と呼ばれる一対一の対応があります.その PCAF を用いてランダムな時間変更過程を 考えることができますが,その生成作用素の最小固有値の大きさは,測度ないしは PCAF の大きさを計る一つの目安となります.セミナーでは,シュレディンガー半群の 超縮小性のオーダーが保存されるためのポテンシャル(測度)に関する必要十分条件, 分枝対称安定過程において閉集合に到達する分枝数の期待値が有限になるための 分枝レート(測度)に関する必要十分条件などが,"時間変更過程の最小固有値が 1より大きい"という条件で与えられる事を示します.


日時: 2004年6月17日(木) 13:15-14:45

講師: 中野 史彦 氏(東北大・理)

場所(変更): 合同棟801

題目: ポアソンモデルのスペクトルについて

概要: ポアソン型ランダムポテンシャル (ポアソン配置をなす原子の作るポテンシャル) を持つシュレーディンガー作用素を考え,その本質的自己共役性, 及び確率1でのスペクトル集合の同定についての結果を紹介する. 本質的自己共役性は,ボレル・カンテリの定理を用いて 確率1におけるポテンシャルの遠方の振舞いを評価することにより,証明される. スペクトル集合の同定は,admissible potentialの理論(Kirsch-Martinelli)を 構成し,固有値分布の結果を援用することにより行われる.

備考: 応用数学セミナーとの合同


日時: 2004年5月27日(木) 13:15-14:45

講師: 樋口 保成 氏(神戸大・理)

場所: 数学棟518

題目:  Toward the Dobrushin-Hryniv theorem for a quite symmetric Pirogov-Sinai type model

概要: 大きさL2の2次元Ising模型で,境界の上半分と下半分で逆符号の 境界条件をつけ,領域内の一方の符号の密度で条件付け(大偏差問題)て得られる 相分離曲線は,L→∞でWolffの曲線の回りにO(1/√L)のGaussian fluctuationを 持つ(Dobrushin-Hrynivの定理).一方,Pirogov-Sinaiの理論によって有限状態 スピン系の広いクラスで相構造(相の共存)が示されているので,同様の問題を 考え得る.2年ほど前にWidom-Rowtinson modelで結果を得たが,model dependentな 解析を必要とした.今回,より一般のmodelに対して結論に至る際のもっとも要となる 評価を得た.WR modelのときは相分離曲線を陽に定義したが,それをimplicitに することでmodel dependentな議論から少し自由になる可能性が出てきた.

(セミナー後服部の要約したものに基づく文です. 樋口先生にご多忙をおして添削して頂きましたが,誤りや読みにくさが 残っていれば,服部の責任です.)

備考:  この週25日(火)から28日(金)まで毎日 15:00から  志賀徳造先生(東工大)による集中講義 (24日(月)は談話会)があります.


(2004/04/23) 来仙を機会に, これまでお一人で東北大の確率論を支えてこられた竹田先生とともに 確率論セミナーを立ち上げたいと考えました. 東北地方の確率論を盛り上げる一助になれば幸いです.

講演内容は限定的には考えません. ここでいう「確率論」とは, 各回の講演を決めた段階で想定する聴衆が興味を持ち, 研究の題材を得られる可能性のあるもの定義します. 準備段階で想定している聴衆は,私と竹田先生,およびその院生諸君, ですが,広く関心をお持ちの方々の参加を歓迎します. 1時間半で専門的なところを少し勉強できればと思います.

まずは無理をせず,東北大学内部の講演者も含めて月1回程度のペースで, 内部のかたの講演も多く取り混ぜて, 東北大学の他のセミナーとも連携を模索しつつ, どうセミナーを育てていくか様子を見ながら進めるつもりです. 学内外を問わず, 「そっちで話してもらったほうがいい講演者がいるのだが」あるいは 「話をさせてくれ」といった情報は大歓迎です. 興味を持って頂けるかたには念頭にある講演者の情報はいつでもお伝えしますので, 雑談などの形で随時情報交換していただければたいへん嬉しく思います.


日本語トップ> 雑記帳> 確率論セミナー> inserted by FC2 system